研究課題/領域番号 |
18F18775
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 健二 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (50162425)
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研究分担者 |
SZCZYGIEL MARTA 東京大学, 人文社会系研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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キーワード | トイレ文化 / 衛生 / 文化社会学 / 日本研究 / 文化比較論 |
研究実績の概要 |
今年度の最大の研究実績は、学術雑誌のゲスト編集者に勤めたということであったといえるだろう。その雑誌はSilva Iaponicarum という、日本研究の領域においてポーランドでは主要かつ中心的な雑誌である。2019年12月に私が編集した巻号が出版された。 Szczygiel, Marta (ed.). Transforming Taboos in Japan. Silva Iaponicarum fasc. 60/61. 2019. 上記の雑誌には、編集者として関わるだけでなく、独立の論文も投稿している。 また、いくつかの発表をしたが、学会という研究者の集合に対してはもちろん、高等学校の学生を含めた一般人向けの発表もできたことはひとつの成果であろう。これまであまり注目されていない領域での研究を、広く世に知らしめるという意味では、それはうれしいことである。その一般人向けの発表はJSPS Science Dialogueのプログラムで韮山高校で2019年6月にしたものと、NPO法人日本トイレ研究所で2020年2月にしたものになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の認知度を学術的にも社会的にも高めるという点では、順調に進んでいると言える。本年度は投稿論文に加えて、雑誌のゲスト編集者にも務めたし、学会発表をいくつかしたからである。 しかしながら、研究を進めるなかで、これまで準備してきた博士論文の再構成などをもとに、単行本での研究成果を出版することを目指していたが、日本語での再編集の作業が予定通りに進まず、すでに終わっているはずの原稿はほぼ半分ていどしか完了していない状況にある。また、新しいポストに就くために2月から申請書を出しているが、そこに労力がとられる点も無視できない障害となっている。採用期間は10月までしかないということ考えると、採用期間中に単行本の原稿化を完成させることは、困難が増してきたように考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は自分の研究を広めるように国際学会にて発表することに心がける予定であった。 4月21-23日にBritish Sociological Associationの学会にて「Disciplining the Defecating Body: Ambiguity of the Excretory Experience in Japan」という発表、そして7月14-18日にInternational Sociological Associationの学会にて「Evolution of Japan’s Toilet Technology through the Lens of 1964 and 2020 Tokyo Olympics」という発表をすることが決定されたが、新型コロナの影響で両方が中止になった。 また、Worldwide Waste Journal of Interdisciplinary Studiesに「Cultural Origins of Japan’s Premodern Night Soil Collection System」という論文を投稿する。その論文がすでに受理され、掲載は6月になると思われる。 最後に、日本人女性のトイレ習慣の関する監視の歴史について草稿は作ってあるが、10月までは投稿できるかは不明である。このような若干見通しをたてにくい状況下ではあるが、着実に進めてゆきたいと考えている。
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