研究課題/領域番号 |
18F18782
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
下里 剛士 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (00467200)
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研究分担者 |
VANDENHEUVEL DIETER 信州大学, 農学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2018-11-09 – 2020-03-31
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キーワード | ゲノム編集 / Lactobacillus / 機能強化乳酸菌 |
研究実績の概要 |
近年、CRISPR-Casシステムを用いたゲノム編集技術が注目されているが、プロバイオティクス に代表されるラクトバシラス乳酸菌におけるゲノム編集実績は、極めて限定的である。その理由として、ラクトバシラス乳酸菌は、外来性DNAの導入に対して働く、強力な防御システムの存在が示唆されている。本年度は、ラクトバシラス乳酸菌用ゲノム編集ツールの開発を目指し研究計画を実行した。具体的には、Ohらが開発したSingle-stranded DNA(ssDNA)recombineering法[Nucleic Acids Res, 42(17):e131, 2014]を基盤とするゲノム編集技術(SSDR-CRISPR-Cas9)をラクトバシラス乳酸菌に適用し、特別研究員の所属機関(アントワープ大学応用微生物学研究室)にて保有するプラスミドライブラリーを用いて、宿主ラクトバシラス乳酸菌株へ導入するpCAS9およびpCRISPRベクターを作製した。また、受け入れ研究者(信州大学バイオメディカル研究所)の有する遺伝子組換え技術[J Dairy Sci. 2017 Sep;100(9):7007-7015. ]を利用して、ssDNAの安定化タンパク質RecTの発現をラクトバシラス乳酸菌に最適化する実験を行った。次年度からは、ラクトバシラス乳酸菌用ゲノム編集ツールの開発と菌体外多糖(EPS)遺伝子に関連するグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子ノックアウトしたライブラリーの構築を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、ツールとなる各種プラスミドの構築に成功し、次年度から始まる本格的な実験計画へのスムースな移行が達成された。
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今後の研究の推進方策 |
EPS関連遺伝子群に作用するグリコシルトランスフェラーゼ遺伝子に変異を有するラクトバシラス乳酸菌ライブラリーを構築し、動物モデルを用いた機能評価に繋げたい。
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