研究課題
原子核は、核子数が「魔法数」を満したとき安定化する。魔法数は核構造を統べる最も基本的な秩序である。近年の研究により、放射性同位体は地球上の長寿命核とは異なる魔法数に従うことがわかってきた。本研究では、新魔法数が作る新秩序を理解するために、新魔法数16に対応するギャップ・エネルギーを定量的に評価することを目指し、非束縛核25Oの共鳴状態を重陽子標的の荷電交換反応により探索する。荷電交換後の陽子を精度よく測定するために、Time Projection Chamber (TPC)という軌跡測定用ガス検出器を開発する。19年度の研究開発において、TPCの有感領域を透過する高エネルギー重陽子を検出することが、検出効率を向上するうえで重要であることが明らかになった。2020年度は、この問題を解決するために、有感領域を透過する重陽子を検出するシリコン半導体検出器テレスコープを開発した。シリコン検出器テレスコープの設置治具、信号読み出しケーブル、真空フランジ等を設計・製作した。シリコン検出器テレスコープの性能評価を理化学研究所RIBFにおいて標準アルファ線源を用いて行った。当初2020年7月に九州大学タンデム加速器施設において、重陽子ビームを用いた性能評価実験を行う予定であったが、コロナ感染症拡大の影響により延期となり、任期中に終えることができなかった。本実験は、任期終了後の2021年1月に実施した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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CNS Annual Report
巻: 99 ページ: 7-8
巻: 99 ページ: 13-14
巻: 99 ページ: 49-50