研究課題
ナノサイズからマイクロサイズの中空粒子には、エネルギ貯蔵、触媒作用、ドラッグデリバリーなどの様々な応用が期待されている。本研究では、機能性中空カプセル構造を思いのままに組み立てるいくつかの方法について検討することを目的とする。具体的には、様々なコンポーネントが自己組織化によってカプセルを作る方法とその条件を検討する。また、合成のスケールアップやカプセルの配列化法の検討、センサーなどの応用の検討を行う。これらの方法が、環境、医療やエネルギーなどの応用に対して適当であるかを探り、目的に適したカプセル作成法の最適アプローチの選択法を確立する。本研究は、多彩な成分から機能性中空カプセルを合成する方法論を形成することを主たる目的としていると同時に、作成されたカプセル構造が多様な分野で応用されることを目標としている。本年度は、主題である「機能性ナノカプセルおよび関連組織体」の開発において、高分子電解質(poly(methacrylic acid) (PMAA) and poly(allylamine hydrochloride) (PAH))と様々な金属イオンとの複合体について研究する過程で、Compacted polyelectrolytes complexes (COPEC) あるいは Saloplastics という新しい材料の概念に行きついた。その材料についてさらに研究をすすめた結果、毒性の非常に高い一酸化窒素の参加などの重要触媒機能が発揮できることを見出した。速度論的な調節機構により、高分子電解質中へと触媒サイトである金属イオンの導入率を詳細にチューニングできることを見出した。この特性により、0価の金属同触媒ナノ粒子を自在に熱アニーリングにより高分子電解質複合体中で作製することができる。一酸化炭素の触媒変換には貴金属触媒が用いられることが多いが、本研究では一般の金属である銅によってその触媒活性を実現した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Advanced Materials Interfaces
巻: 8 ページ: 2001395~2001395
10.1002/admi.202001395
Journal of Materials Chemistry A
巻: 8 ページ: 17713~17724
10.1039/d0ta05901c