研究課題/領域番号 |
18GS0206
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大島 隆義 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (00134651)
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研究分担者 |
林井 久樹 奈良女子大学, 理学部, 教授 (50180980)
戸本 誠 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (80432235)
居波 賢二 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (50372529)
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キーワード | タウ / レプトン / ヒッグス / トップクォーク / 第3世代素粒子 |
研究概要 |
KEKB/Belle実験によって収集した約800fb^<-1>のデータを用い、注目を集めているタウのLFV崩壊の探索を進めた。具体的には、τ→lll, lKs, lKsKsなどの崩壊に対し、信号検出効率の向上と、背景事象の除去の両立を実現させ、崩壊分岐比の上限値を世界一の感度である10^<-8>台まで向上させることに成功した。さらに、ハドロン崩壊モードの解析を進め、τ→πωv崩壊の分岐比や角度分布の測定によりセカンドクラスカレントの探索を行っている。従来の結果に比べ10倍以上の感度向上を果たしつつある。また、τ→πKsv反応を用いてレプトン崩壊におけるCP対称性の破れの検証を進めた。モンテカルロシミュレーションを改良し、測定量とCPパラメータの相関を精密に求める手法を割り出した.これらの解析は、次年度での成果発表が期待できる段階に研究を推し進めることに成功した。 一方、LHC/ATLAS実験では、2009年秋にビーム衝突が始まり、本格的なデータ取得が始まった。本実験に向け、新物理事象を高純度かつ簡素に選択するミュー粒子トリガー検出器の運転と、性能評価検証を実施し、99.4%の検出器が設計値通りの性能で、ビーム衝突データを収集することに成功した。本研究組織の人員が検出器グループのコーディネーターなどの主要任務に付き主導的に研究を推進している。また、物理解析に向けたモンテカルロシミュレーションの研究を進め、トップクォーク対生成断面積の測定感度などを求めている。以上の研究は、名古屋大学のデータ解析施設計算機で進められている。膨大なデータの解析に必要な計算機システムの構築・増強を研究者の手によって行い、物理研究をより有意義に推進する解析施設環境を構築する努力に行なっている。
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