研究課題/領域番号 |
18GS0210
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
齊藤 直人 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20321763)
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研究分担者 |
竹谷 篤 理化学研究所, 延與放射線研究室, 先任研究員 (30222095)
村上 哲也 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50219896)
村田 次郎 立教大学, 理学部, 准教授 (50360649)
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キーワード | 核子構造 / スピン / 量子色力学 / クォーク / グルーオン / データ収集 / 電子回路基板 / トリガー |
研究概要 |
平成20年度は夏に大量生産・試験・設置・評価を終えて、シャットダウン中に設置・導入する必要があったので、前年度からの繰り越し分を含めて、年度始めから契約などの準備を進めた。現地では、作業の為の足場組の準備なども行い、またケーブルなどの試験などを進めて、現地に送られた大量の電子回路基板の試験の態勢を整えた。また、設置前と設置後の飛跡検出器のパフォーマンスの違いをきちんとトラックできるように、基礎データを大量に収集して、設置・導入に備えた。 設置・導入は概ね順調に進んだと言える。短期的にマンパワー不足に落ち入ることもあったが、現地で協力者をお願いしてしのぐことが出来た。今年度のランは、Run9と呼ばれ、RHIC加速器の運転が始ってから9年目で9回目のランとなった。アメリカの予算の決定が遅れた為にデータ収集の開始が遅れたが、2月からデータをとり始めることが出来た。 平成18年度に東北大学行ったテスト実験の結果と、設置前後の飛跡検出器のデータにもとづき、印加電圧の最適化を行った。さらに、1万チャンネルある信号に対して電荷量分布を見て、MuTRG-ADTXボードにおける適切な閾値を見いだした。ヒットの頻度は、信号を受けるストリップの面積(長さ)によるが、ほぼ期待通りのパフォーマンスが得られたと言える。若干、ヒット頻度の高い領域が存在して、非常に長い時間をかけて改善を図ったが今後の課題の一つとして残った。また、加速器のパフォーマンスが、ルミノシティ、偏極度ともに満足できるものではなく、今後の課題である。
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