研究課題/領域番号 |
18GS0314
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北 潔 東京大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90134444)
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研究分担者 |
田辺 和裄 大阪大学, 微生物病研究所, 特任教員(特任教授) (40047410)
野崎 智義 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60198588)
渡邊 洋一 東京大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90323568)
佐々木 成江 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 講師 (20359699)
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キーワード | 感染症 / 細胞・組織 / 進化 / 特殊環境 / 微生物 |
研究概要 |
真核生物は細胞内に種々のオルガネラを持ち、それらの働きによって高度な生物機能を支えている。しかし、その成立過程、生理機能の詳細、オルガネラ間の相互作用に関する情報はごく僅かであり、エネルギー転換機構などの基本原理の解明とともにオルガネラの多様性に関する生物学的意義の解明が求められている。そこで、オルガネラ間のダイナミックな相互作用、さらにはその進化について考察するための確かな基盤を確立する事を目的として以下の項目に焦点を絞り、研究を進めている。平成18年度は以下の結果を得た。 1)オルガネラ間相互作用とオルガネラの進化 ミトコンドリアおよびアピコプラストをそれぞれGFPで標識し、パーコールやセルソーターで分離を試みた結果、両者に強い相互作用が見られた。また、マラリア原虫のミトコンドリアゲノムの進化速度とアピコプラストの起源に関しては、赤血球期では呼吸系が十分には機能していないマラリア原虫ミトコンドリアのゲノム進化速度を検討したところ、核ゲノムハウスキーピング遺伝子と同程度で、ほ乳類と大きく異なることが明らかになった。さらにマラリア原虫類とそれに最も近縁な渦鞭毛藻(渦鞭毛虫)との分岐点近傍に位置づけられているペルキンススコルポデラに葉緑体関連遺伝子候補群を見出した。 2)オルガネラDNAの複製と転写およびタンパク質合成系 モデル生物である真正粘菌および線虫のミトコンドリア核様体タンパク質の網羅的解析およびミトコンドリアリボソームタンパク質の候補遺伝子へのタグの付加を行ない、解析系の確立を開始した。 3)ミトコンドリアと共通祖先を持つオルガネラ 赤痢アメーバのミトコンドリア関連オルガネラ(マイトソーム)の精製法の至適化を開始し、またマイトソームへの移行シグナルを有すると予想される組換えタンパク質の作製・エピトープ標識体を発現した原虫形質転換体などの作製を進めた。
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