研究課題
現在、神経因性疼痛に苦しむ患者数は世界で1500万人以上に達する。我々は「脊髄内ミクロクリアの異常な活性化と、そこに発現するATP受容体サブタイプP2X4の刺激により脳由来神経栄養因子(BDNF)が放出され、BDNFが後角ニューロンに働いて神経因性疼痛を引き起こす」ことを発表した(Nature2003;2005)。本研究では、グリア細胞がいつ、どこで、どのようにして神経損傷情報を受け取り、その結果何を介して、痛み情報伝達を変調させ、神経因性疼痛を引き起こすのかを明らかにする。本年度は、最も基本的な脊髄ミクログリアの活性化メカニズムが分かっていなかったので検討した。その結果、末梢神経損傷後に起こる脊髄後角でのミクログリアの活性化は、損傷後に脊髄内で発現増加したインターフェロン-Yがミクログリア特異的に作用し、Srcファミリーの一つLynの発現増加および活性化を介してミクログリアの形態変化や細胞増殖を誘発し、さらにP2X_4受容体の発現増加を引き起こし、神経因性疼痛発症に重要な役割を果たしていることが明らかになった。また、神経損傷後、脊髄内でフィブロネクチン/インテグリン系を介して脊髄内ミクログリアのP2X4受容体発現増加が引き起こされるが、このP2X4受容体発現増加にもLynの活性化、MEK-ERK経路およびPI3K-Akt経路が関与することが示唆された。さらに、ミクログリアに発現するP2Y12受容体はケモクキシスに関与すると共に、神経因性疼痛にも深く関与することを明らかにした。
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