研究課題
L5脊髄神経損傷モデルで、ミクログリアの活性化は、痛みの経時変化と一致して、術後7,14日をピークにL5脊髄後角にて活性化が認められ、L5神経入力先の後角では表層と深層では活性化の程度が異なる。更に、内側(左)では外側よりも活性化が顕著であった。加えて、術後7日目では、L5のみならず、L2~L4およびL6後角でもミクログリアの活性化が確認され、神経損傷の影響が3次元的に敷衍していることが分かった。形態学的特徴では、L5脊髄神経損傷後12時間後から、損傷側脊髄においてのみミクログリアの突起の退縮が始まり、引き続き細胞体の肥大化が起こり、損傷後24時間後にはミクログリアの形態が典型的な活性化型へと変化した。BrdU陽性細胞あるいはp-histone H3陽性細胞を増殖細胞として認め、ミクログリアの活性化を細胞増殖で評価した結果、増殖は末梢神経損傷後28時間後から32時間後にかけて急激に始まり、3.5日後までに終わるという、非常に急激で一過性なものであった。免疫組織染色により、ミクログリアの増殖が起こるよりも前にミクログリア特異的にLynチロシンキナーゼの活性化が起こることを明らかにし、さらにlyn(-/-)マウスでは野生型マウスに比べ、損傷側脊髄でのミクログリア細胞増殖は抑制された。神経因性疼痛発症には脊髄のミクログリア活性化が必須であるが、何がミクログリアを活性化するのかは不明であった。これを検討し、サイトカインの一種であるインターフェロン(IFN)□が神経障害の後に脊髄後角で増加し、それがミクログリアを活性化させ、Lyn活性化とP2X4過剰発現、痛み惹起という一連の機序が明らかになった。
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