研究課題/領域番号 |
18GS0320
|
研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
相沢 慎一 独立行政法人理化学研究所, ボディプラン研究グループ, グループデイレクター (60073011)
|
研究分担者 |
嶋村 健児 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (70301140)
平田 たつみ 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助教授 (80260587)
|
キーワード | Otx / Emx / Pax6 / エンハンサー / 四足動物 / 真骨魚 / ポリプテルス / エイ |
研究概要 |
(i)ほ乳動物に特有なエピブラスト、臓側内胚葉でのOtx2遺伝子カスケードの成立機序 ヒトOtx2エピブラスト(EP)エンハンサー相当領域にはEPでの発現活性がなく、EPでのOtx2発現は齧歯類に特徴的なことが示唆され、ブタ、イヌでの解析をすすめた。マウス臓側内胚葉(VE)エンハンサー及びカエルの相当領域がカエル原腸胚深部内胚葉で活性を持っことを確定し、ともに上流でFoxa2の支配を受けていること、ともに下流でdickkopfを制御することを明らかにした。 (ii)真骨魚と四足動物で異なる吻側神経外胚葉形成、Otx2/Otx1機能の成立機序 マウス吻側神経外胚葉でOtx2の下流で働くshisaについて生化学的機能解析を進めた。真骨魚ではFMエンハンサーがAN活性を獲得することによって、四足動物のANエンハンサー相当領域を失ったが、真骨魚でのFMエンハンサーのAN活性獲得はSox siteの一つをSix siteに変え、X領域(仮称)の配列を変えることによって起こったことを明らかにした。四足動物ANでもSix3は発現するが、そのAN enhancerはSix3の支配を受けていない。X領域の解析を進め、またシーラカンス、エイのエンハンサー構成を明らかにし、エイ胚Otx cognatesの発現解析を行ったさらにポリプテルス、ヤツメ胚でのOtx cognatesの発現解析。ゲノムの解析を進めた。 (iii)前脳の初期領域化機構、新皮質の成立機序 各段階の吻側神経外胚葉でのEmx2,Pax6発現を制御するエンハンサーを確定し、その詳細解析を進めた。Emx2/Pax2重変異マウスなどを用い吻側前脳領域形成、終脳形成、皮質形成のの候補遺伝子を抽出した。また、皮質で最初に移動する嗅索道細胞の線条体境界での停止はSemaphorin 3Fの反発作用に寄ることを明らかにした。加えてEmx1/Emx2二重変異体皮質での引き続く細胞移動の異常の解析を進めた。 (iv)Otx2陽性頭部内中胚葉、神経堤細胞の起源 Otx2はゼブラフィッシュ、ポリプテルス、エイの吻側内中胚葉及び頭部神経堤細胞でも発現するが、四足動物でこれらの発現を制御するエンハンサー領域は、これらの動物では保存されておらず全く別の制御機構によっていることが明らかとなった。
|