研究課題/領域番号 |
18GS0320
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
相沢 慎一 独立行政法人理化学研究所, ボディプラン研究グループ, グループディレクター (60073011)
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研究分担者 |
嶋村 健児 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (70301140)
平田 たつみ 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 准教授 (80260587)
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キーワード | Otx / Emx / ヘッドオーガナイザー / 胚体外内胚葉 / EPB41L5 / miR9 / 頭部形成 / 脊椎動物進化 |
研究概要 |
胚体外内胚葉の進化的起源 ポリプテルス、ナメクジウオでの解析より、祖先脊椎動物で植物局側の割球は胚体外で、内胚葉・中胚葉は赤道軸上の周辺領域より生じることを明らかにした。羊膜類ならびに真骨魚で体軸形成に重要な働きをする胚体外内胚葉はこれより生じた相同な構造で、両生類で2次的に胚体深部内胚葉に組み込まれ胚体外組織としては失われたと考えられる。この結果は両生類型が祖先型で胚体外組織は真骨魚と羊膜類でそれぞれ独自に進化したとの従来の考えを覆すものである。 3胚葉、軸形成に関わるEMT EPB41L5がposttranslationalに制御する上皮、間充織転換の分子機構解明を進展させた。 臓側内胚葉でのOtx2遺伝子カースケードの成立機序 マウス胚臓側内胚葉で軸形成、頭部誘導に必須の役割を果たすOtx2遺伝子カスケードは祖先四足動物で成立したことを明らかにしたが、鳥類での変化が予想され、デイスク型ほ乳動物胚、は虫類胚での検討を進めた。 吻側神経外胚葉形成機能の成立機序 有顎類の吻側神経外胚葉形成には共通にANエンハンサー下でのOtx2発現が必須であるが、これを制御する上流因子を同定した。 Emx2が関わる脳形成機構 マウス胚でEmx2はE8尾側前脳原基、E9-10終脳背側部、E11.5-皮質未分化細胞層で発現するが、これらの発現は同一のエンハンサーと上流因子により制御されていることが明らかになった。この遺伝子カスケードは四足動物で保存されているが真骨魚での変化が想定された。 microRNAが制御する新皮質形成 miR9が皮質層構造形成に働くことを明らかにした。そのターゲットは層構造を形成しない脊椎動物でも保存されており、これらの動物での機能解析を進めた。
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