研究課題/領域番号 |
18H00601
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
直江 清隆 東北大学, 文学研究科, 教授 (30312169)
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研究分担者 |
久木田 水生 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (10648869)
村田 純一 立正大学, 文学部, 教授 (40134407)
本田 康二郎 金沢医科大学, 一般教育機構, 准教授 (40410302)
上原 麻有子 京都大学, 文学研究科, 教授 (40465373)
金光 秀和 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (50398989)
木原 英逸 国士舘大学, 政経学部, 教授 (60204955)
河野 哲也 立教大学, 文学部, 教授 (60384715)
犬塚 悠 法政大学, 国際日本学研究所, 研究員 (80803626) [辞退]
長滝 祥司 中京大学, 国際教養学部, 教授 (40288436)
鈴木 俊洋 崇城大学, 総合教育センター, 教授 (80645242)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 技術哲学 / 京都学派 / ロボットの倫理 / 技術者倫理 / 現象学的技術哲学 |
研究実績の概要 |
本年度は、研究プロジェクトの初年度として、日本哲学に関する研究状況と問題意識の共有を図り、ネットワークの基盤づくりを行った。創始期および戦後期の日本技術哲学に関しては、分担して主な論者を軸に、思想的独創性と日本哲学史上の位置づけ、当時のとくにドイツ及びフランスの技術哲学との影響関係を調査した。その結果、創始期の哲学者としては、西田幾多郎、三木清、戸坂潤、和辻哲郎を、戦後期の論者としては、三枝博音、星野芳郎、中岡哲郎を研究の対象として抽出した。そのうえで、それぞれの論者の著作から現代のグローバルな哲学的課題に独自の情報発信をなしうる文献を抽出し、翻訳作業に入るとともに、文献研究を進めた。現代の日本技術哲学についても、同様に、分担して現代日本の主な現代日本の主な潮流について探索し、現象学的潮流、生態現象学的アプローチ、ロボット倫理、環境主義的原子力とリスク論、公害と倫理、技術者倫理教育を対象として抽出し、現代のグローバルな課題に独自の情報発信をなしうる問題の掘り下げを行った。以上の準備をもとに、日本国内と国外において専門研究者によるワークショップ"Japanese Philosophy of Technology -- Past and Present"を開催し、現代の世界的動向の中で戦前から現在に至る技術哲学にいかなる意義が見いだされ、それを土台にして現代の問題に関していかなる独自の貢献の可能性があるかについて検討した。また、本研究課題の推進を図るため、3rd Dutch-Japanese Workshop in Philosophy of Technologyを共同開催し、オランダ小野研究者との共同討議を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外の研究者の日程上の都合により、19年度に繰り越して国際ワークショップを開催し、当初計画の達成を図った。しかし、台風19号の影響で日程の縮小を余儀なくされ、課題のいくつかを積み残しにせざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、前年度の成果をもとに、それぞれの対象について研究を深める。その成果をもとに、国内の関連分野の学会等で、国内、海外の研究者とのシンポジウムを開催して、日本哲学ないし日本の技術哲学を基礎として現代の技術哲学の課題について検討を進め、日本の技術哲学のアクチュアリティとしてどのような点が特筆されるべきかを明らかにする。また、本研究の成果を海外の出版社から書籍として刊行する計画を進め、この分野の原典の翻訳作業を進めるとともに、日本の技術哲学の全体的統合性を持たせるべく、研究会等での検討を進める。
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