研究課題
本年度は、世界的なCovid-19の感染拡大により活動が制限されたため、合同でオンラインでの打ち合わせを9月2日に実施したほか、オンラインの活動を中心に進めた。まず2021年8月のthe European Association for Japanese Studies(略称EAJS)の大会に曽根原と朴澤・モリスが別々のパネルを組織して参加し、研究報告を行った。その成果については、2019年のライデン大学における研究集会の参加者にも呼びかけ論考を集め、2022年度中を目標に論集を刊行する方向で準備を進めている。曽根原と朴澤は、感染拡大が下火となったタイミングを見計らい、12月に滋賀県米原市内の天台宗寺院の近世資料の調査を実施した。曽根原は、近世に同寺の歴史や由緒が創造されていく動向の調査のため、初代住職だった貞舜(1349-1422)関係資料の調査等も手がけた。同様に曽根原は、山口東照宮の調査等も実施した。また、曽根原や大川が呼びかけ、近世の思想・文化に対する研究史方面のアプローチとして、阿部次郎(1883-1959)や小宮豊隆(1884-1966)に関する研究会を立ち上げて、思想史、美術史、文学、アーカイブズ学など様々な観点から交替で研究報告を計6回行った(5/7、6/28、9/3、12/15、2022年1/31、2/22)。東北大学が所蔵する阿部関係資料の調査に加え、2021年10月には福岡県内の小宮関係資料の調査も実施した。その成果として、2022年秋のシンポジウム開催を計画している。
3: やや遅れている
Covuid-19の感染拡大による国内外の出張の制限のため、資料調査や研究集会の実施が困難となり、ほぼオンラインに限定した形で活動を進めている。各地の寺院や資料保存機関における調査に遅れが出ていることは否めない。また、調査の成果を活用した国際研究集会の立ち上げ等については、オンライン開催に対応したAASやEAJSなどの大会以外は難しく、足踏み状態となっている。
社会全体で移動制限が徐々に緩和されているので、最終年度は可能な限り、本来目標としていた活動を進めたい。5月に研究分担者との打ち合わせを予定しており、年度内には滋賀県の天台寺院の合同調査や、各地の東照宮関係資料の調査、福岡県の小宮豊隆関係資料の調査などの計画をたてている。また、曲りなりにも蓄積してきた成果があるので、論集刊行や報告書作成などを果たしていきたい。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
日本学研究〈北京日本学研究中心〉
巻: 32 ページ: 65-80
紀要(哲学)〈中央大学文学部〉
巻: 64 ページ: 19-35
歴史学研究
巻: 1017 ページ: 38-40