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2020 年度 実績報告書

東京学派の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18H00618
研究機関東京大学

研究代表者

中島 隆博  東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20237267)

研究分担者 園田 茂人  東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (10206683)
小野塚 知二  東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (40194609)
馬場 紀寿  東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (40431829)
鍾 以江  東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (40735586)
大木 康  東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (70185213)
松方 冬子  東京大学, 史料編纂所, 教授 (80251479)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード東京学派 / 東京帝国大学(東京大学) / 翻訳 / 経済学史
研究実績の概要

2020年度は、「東京学派」に関する議論の総括・とりまとめを専門領域ごとに開始する年であり、そのために、分野を絞った研究集会の企画を複数予定していた。しかし、2020年2月ごろからの新型コロナウイルスの感染拡大により研究イベントの中止・延期を余儀なくされた。このような経緯から、2019年度にひきつづき、2020年度についても予定していた活動の一部を次年度に繰り越した。
以下、昨年度の研究実績報告と多少重複するものの、2020年4月~2021年3月について本科研での研究成果を記述する。
研究企画は感染状況の落ち着いた2020年夏以降に、オンライン開催のかたちで実現した。以下、ワークショップ企画名と日付を列挙する。「江湖・無縁・アゴラ―松方冬子「普遍、アゴラ、グローバル・ヒストリー」によせて、もういちど『自由』の在処を探す―」(7月15日)、「包摂と排除:東京(帝国)大学の近代学知」(7月18日)、「社会学の中の東京学派」(9月26日)、「東京学派と日本古典―源氏物語をめぐって」(10月17日)。いずれのワークショップでも、オンライン開催の利を生かして多数の参加者・聴衆にご参加いただくことができ、活発な議論を実現することができた。
イベント後には当初の計画どおり、発表者に発表原稿の改訂を依頼し、成果報告ブックレット「ブックレット東京学派」にとりまとめた。2020年度中に刊行・公開したのは下記2号である。1号:『江湖・無縁・アゴラ―もういちど「自由」の在処を探す―』(12月)、2号:『社会学の中の東京学派』(2月)。
2020年度の議論をつうじて、研究分担者の専門分野ごとに東京学派の内実を具体化することができた。とりわけ各専門分野での東京学派のキーパーソンが絞り込まれたことが最大の成果であったといえよう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年2月以降の新型コロナウイルスの感染拡大により、国内外への出張が困難になり資料調査や研究報告が制限されたことは事実である。しかし、本年度の主目的である分野ごとの研究成果総括という面でいうと、研究集会をオンラインで開催したことで世界中から多数の出席者を集めることができた。この際の議論は「ブックレット東京学派」の論文原稿にも反映することができた。以上のことから、科研の三年目である本年度は、繰越期間もふくめるならば「おおむね順調に進展している」であったと自己評価したい。

今後の研究の推進方策

2020年度の議論をつうじて、研究分担者の専門分野ごとに東京学派の内実を具体化することができた。2021年度(最終年度)は、各専門分野でのキーパーソンの学際的活動や総体としての東京学派に踏み込むために、年代を絞って解明を進めることとした。具体的には、東京学派にとってターニングポイントと思われる1920年代と1960年代の状況を概観しつつ、現在に通底する部分、通底しない部分を議論することとなった。その研究成果をもちよって、秋ごろをめどに本科研プロジェクトの総括会議を開催する予定である。
分野ごとでの東京学派の実態解明や成果発表もひきつづき進める。その成果は「ブックレット東京学派」として順次刊行・公開する。研究成果の出版に関しては東京大学出版会と協議・交渉している。ブックレット刊行の実績を生かすかたちで書籍化を目指したい。

備考

東京大学「国際総合日本学ネットワーク」ホームページ内に設置し、研究会ごとに開催告知と内容報告を公開。研究成果である「ブックレット東京学派」も「エッセイ」というカテゴリーで、各号のPDFファイルを公開。

  • 研究成果

    (35件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件) 図書 (15件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (2件)

  • [雑誌論文] 「『老子』読解の近代」2021

    • 著者名/発表者名
      中島隆博
    • 雑誌名

      『思想』

      巻: 2021年1月号 ページ: 8-37

  • [雑誌論文] 「ブッダゴーサの正法存続論」2021

    • 著者名/発表者名
      馬場紀寿
    • 雑誌名

      『東洋文化研究所紀要』

      巻: 179 ページ: 27-48

  • [雑誌論文] 「世界史をどう/なぜ語るか」2021

    • 著者名/発表者名
      松方冬子
    • 雑誌名

      『歴史学研究』

      巻: 1007 ページ: 165-167

  • [雑誌論文] China and Japan: Facing History2021

    • 著者名/発表者名
      Sonoda Shigeto
    • 雑誌名

      Japanese Studies

      巻: 41 ページ: 137~138

    • DOI

      10.1080/10371397.2021.1895733

  • [雑誌論文] “The Backside of Japan,” Development, and Imperialism in Northeast Asia”2021

    • 著者名/発表者名
      Yijang Zhong
    • 雑誌名

      The Asia-Pacific Journal: Japan Focus

      巻: Volume 19, Issue 6, Number 3 ページ: 1-13

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Confucian Modernity in Japan Religion and the State2020

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Nakajima
    • 雑誌名

      Journal of Japanese Philosophy

      巻: 6 ページ: 45~62

    • DOI

      10.1353/jjp.2020.0002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「世界哲学としての中国哲学・日本哲学」2020

    • 著者名/発表者名
      中島隆博
    • 雑誌名

      『二松學舍大学 人文論叢』

      巻: 105 ページ: 1-25

  • [雑誌論文] 「神に先立つ道――鈴木大拙と『老子』」2020

    • 著者名/発表者名
      中島隆博
    • 雑誌名

      『現代思想 総特集 鈴木大拙――生誕一五〇年 禅からZenへ』

      巻: 2020年11月臨時増刊号 ページ: 74-83

  • [雑誌論文] 「普遍、アゴラ、グローバル・ヒストリー3 英語を鍛えるとはどういうことか」2020

    • 著者名/発表者名
      松方冬子
    • 雑誌名

      『UP』

      巻: 570 ページ: 33-37

  • [雑誌論文] 「普遍、アゴラ、グローバル・ヒストリー4 グローバル・ヒストリアンは養成できるか」2020

    • 著者名/発表者名
      松方冬子
    • 雑誌名

      『UP』

      巻: 571 ページ: 42-47

  • [雑誌論文] 「世界の中の近世日本史をどう描くか―平川新『戦国日本と大航海時代』に寄せて―」2020

    • 著者名/発表者名
      松方冬子
    • 雑誌名

      『洋学』

      巻: 27 ページ: 103-123

  • [学会発表] 「フランスにおける『老子』受容」2021

    • 著者名/発表者名
      中島隆博
    • 学会等名
      日仏東洋学会シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] “From ‘Global Japan Studies’ to ‘Global Asian Studies’: IASA’s Changing Strategies and Its Background”2021

    • 著者名/発表者名
      園田茂人
    • 学会等名
      Global Asias: A Trans-Pacific Dialogues, School of Arts and Sciences, Rutgers University
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 「来者を思う:哲学の希望」2020

    • 著者名/発表者名
      中島隆博
    • 学会等名
      未来哲学研究所創設記念シンポジウム「〈未来〉という次元を回復するために」
    • 招待講演
  • [学会発表] 「経済学史と経済史の間:その現実と隔たりと理想的な関係」2020

    • 著者名/発表者名
      小野塚知二
    • 学会等名
      経済学史学会第84回大会共通論題「経済学史の未来:経済の理論と歴史から」(経済学史学会創立70周年記念)
    • 招待講演
  • [学会発表] 「世界史をどう/なぜ語るか」2020

    • 著者名/発表者名
      松方冬子
    • 学会等名
      歴史学研究会大会合同部会シンポジウム「主権国家再考Part3:帝国論の再定位」
    • 招待講演
  • [学会発表] 「日本の社会学における中国研究:その130年を回顧する」2020

    • 著者名/発表者名
      園田茂人
    • 学会等名
      「中国学の再創生」第15回公開研究会
  • [図書] 『社会学の中の東京学派』2021

    • 著者名/発表者名
      園田茂人・中筋直哉・矢野善郎・米村千代・出口剛司・佐藤健二
    • 総ページ数
      124
    • 出版者
      東京大学東洋文化研究所
  • [図書] 一九世紀のオランダ商館 上2021

    • 著者名/発表者名
      松方 冬子、西澤 美穂子、田中 葉子、松井 洋子、日蘭交渉史研究会
    • 総ページ数
      544
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      413026351X
  • [図書] 『環太平洋から「日本研究」を考える』(園田茂人「国際日本研究の『挑戦』と『機会』」)2021

    • 著者名/発表者名
      「国際日本研究」コンソーシアム編
    • 総ページ数
      191
    • 出版者
      国際日本文化研究センター
  • [図書] 漢字を使った文化はどう広がっていたのか2021

    • 著者名/発表者名
      金 文京
    • 総ページ数
      452
    • 出版者
      文学通信
    • ISBN
      4909658459
  • [図書] 『江湖・無縁・アゴラ ―もういちど「自由」の在処を探す』2020

    • 著者名/発表者名
      中島隆博・松方冬子・内田力・大木康・石井剛
    • 総ページ数
      84
    • 出版者
      東京大学東洋文化研究所
  • [図書] 世界哲学史52020

    • 著者名/発表者名
      伊藤 邦武、山内 志朗、中島 隆博、納富 信留
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      筑摩書房
    • ISBN
      4480072950
  • [図書] 全体主義の克服2020

    • 著者名/発表者名
      マルクス・ガブリエル、中島 隆博
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      集英社
    • ISBN
      4087211320
  • [図書] 社寺会堂から探る 江戸東京の精神文化2020

    • 著者名/発表者名
      中島 隆博、吉見 俊哉、佐藤 麻貴、湯島神田上野社寺会堂研究会
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      勁草書房
    • ISBN
      4326248513
  • [図書] 世界哲学史 別巻2020

    • 著者名/発表者名
      伊藤 邦武、山内 志朗、中島 隆博、納富 信留
    • 総ページ数
      400
    • 出版者
      筑摩書房
    • ISBN
      4480073647
  • [図書] 普遍的価値を求める2020

    • 著者名/発表者名
      許紀霖、中島隆博、王前、及川淳子、徐行、藤井嘉章
    • 総ページ数
      358
    • 出版者
      法政大学出版局
    • ISBN
      4588011219
  • [図書] コロナ後の世界2020

    • 著者名/発表者名
      筑摩書房編集部
    • 総ページ数
      328
    • 出版者
      筑摩書房
    • ISBN
      4480864741
  • [図書] 歴史学の縁取り方2020

    • 著者名/発表者名
      恒木 健太郎、左近 幸村
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      413026267X
  • [図書] Birds as Ornithologists scholarship between faith and reason: intra- and inter-disciplinary perspectives (Norihisa Baba, "The Birth of Mahayana Buddhism: How Shaku Soen Changed Modern Buddhist Studies")2020

    • 著者名/発表者名
      Orna Almogi (ed.)
    • 総ページ数
      402
    • 出版者
      Department of Indian and Buddhist Studies, Universtat Hamburg
  • [図書] State and Religion: Between Conflict and Cooperation (Yijang Zhong “Yasukuni Shrine and the Politics of Religious Freedom in Contemporary Japan”)2020

    • 著者名/発表者名
      Henning Glaser and Dirk Ehlers (eds.)
    • 総ページ数
      597
    • 出版者
      Nomos Verlagsgesellschaft
  • [図書] 明淸江南社會文化史研究2020

    • 著者名/発表者名
      大木 康
    • 総ページ数
      788
    • 出版者
      汲古書院
    • ISBN
      4762966673
  • [備考] ホームページ「(科研)東京学派の研究」

    • URL

      http://gjs.ioc.u-tokyo.ac.jp/ja/tokyo-school/

  • [学会・シンポジウム開催] ワークショップ「包摂と排除:東京(帝国)大学の近代学知」2020

  • [学会・シンポジウム開催] シンポジウム「東京学派と日本古典―源氏物語をめぐって」2020

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公開日: 2022-12-28  

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