研究課題
基盤研究(B)
1920年代から30年代にかけて日本でおこなわれたプロレタリア文化運動についての総合的研究をおこなった。資料調査を重視すると共に、地方や運動の現場への着目を重視した研究方法を採用し、研究メンバーの相互協力のもとで充実した研究活動を実施することができた。当初予定していたとおり、研究論集の刊行(『革命芸術プロレタリア文化運動』2019)、企画展の開催(市立小樽文学館、2019)、学会でのシンポジウム参加やパネル発表(2019、2022)、資料調査、ガラス乾板写真のデジタル化、国際シンポジウムの開催(2022)を実施した。
日本近代文学
戦前の日本において、左翼的な労働運動や政治運動とともに、大衆文化運動もまた活発に行われていた。政治的には共産主義の影響を強く受けていたとはいえ、自由、民主主義、反戦の思想を普及する上で重要な運動であった。従来は文学運動や演劇運動など、ジャンルごとに研究されることが常であったが、本研究では多様な研究分野の研究者が協力して、プロレタリア文化運動の全体像の解明を試みた。その成果は、書籍・研究論文の発表、学会、国際シンポジウム、文学館における企画展などさまざまなかたちで発信・公開した。