研究課題/領域番号 |
18H00622
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研究機関 | 長岡造形大学 |
研究代表者 |
児美川 佳代子 (小松佳代子) 長岡造形大学, 造形研究科, 准教授 (50292800)
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研究分担者 |
金子 一夫 茨城大学, 教育学部, 名誉教授 (70114014)
佐藤 直樹 東京藝術大学, 美術学部, 准教授 (60260006)
笠原 広一 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50388188)
生井 亮司 武蔵野大学, 教育学部, 教授 (20584808)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 判断力養成 / 芸術的知性 / Arts-Based Research |
研究実績の概要 |
2019年度は、3回の研究会と1つの展覧会を行った。8月31日に武蔵野大学で開催した研究会では、「同伴者としての図工への旅―美術作品制作からみる図画工作の意義的試考」「『言葉とアートをつなぐ教育思想』に「霊性」もつないでみる―鈴木大拙から志村ふくみへ」「民主主義と美術教育―ガード・ビースタの教育論・美術論を参照しつつ」という三つの発表をもとに議論した。10月20日には、中国杭州師範大学の胡俊博士を招いて「中国におけるa/r/tography実践について」と題して講演頂くとともに、2019年3月~4月に長岡造形大学で行ったABR on ABR展に参加した美術制作者による相互批評を行った。2020年2月11日から23日まで栃木県小山市立車屋美術館にて「ART=Research―探究はどこにあるのか」という展覧会を開催し、8人の美術制作者が自らの制作のどこに探究があるのかを示しながら作品展示を行った。この展覧会に関連して、2月16日には、「アートな探究」というワークショップを行い、同日それぞれの美術制作者が自らの作品について解説、その後議論を行った。 研究代表者及び分担研究者2名は、7月にカナダで開催されたArts-Based Research and Artistic Research学会及び国際美術教育学会において成果発表、ワークショップ、作品展示などを行った。ヨーロッパ美術史の観点から判断力養成について研究している分担者は、ドイツでの調査研究、日本の美術教育史の観点から判断力養成について研究している分担者も、国内の史料調査を精力的に行った。3月29日に予定していた研究代表者、研究分担者、研究協力者による研究会は、新型コロナウイルスの感染予防の観点から中止にして、メールでのやりとりで今年度のまとめを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は国際共同研究を実施できたこと、また実践的研究としての展覧会を再び実施できたことなどから、当初の計画以上に進展していると考えているが、本年度のまとめを行う年度末にかけて新型コロナウイルス感染防止の観点から、研究会を中止にしなければならず、最終年度に向けた密な打ち合わせができなかった。個々人の調査研究についてはおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進においてもっとも憂慮されるのは、新型コロナウイルスである。研究会などを開催できるのかどうかが見通せず、また国際学会の開催、渡航がほぼ不可能であることが予想されるなかで、それに対応した方策を立てる必要がある。オンラインシステムを多用することが最も効果的だと考えるが、これは既知の研究者同士の間では可能でも、あらたに研究交流を広げていくことは困難である。2020年度は、最終年度ということもあるので、研究を論文の形でまとめて発信していくことに注力する。英語での論文執筆も予定している。研究成果を内外に広く発信していくことで、研究の展開を図りたい。
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