研究課題/領域番号 |
18H00629
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋山 聰 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (50293113)
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研究分担者 |
板倉 聖哲 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00242074)
塚本 麿充 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00416265)
高岸 輝 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80416263)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 美術史 / 宝物 / 比較美術史 / コレクション |
研究成果の概要 |
前近代において、近代的な「美術作品」に代わる有効な概念であると思われる「宝物」という概念に着目し、主としてのその贈与・寄進に重点を置きつつ、「芸術の時代以前」の造形物について、日本、東洋、西洋、その他の地域の事例を博捜し、相互に比較することによって、相対化するとともに、宝物とされる造形物についての地域や時代特有の性質を明らかにすることに努めた。併せて、今日の美術コレクションにあたる造形物収集の諸相について、やはり諸地域における事例を博捜、精査し、相互の相対化と、地域的・時代的特性の摘出を試み、一定の成果をみせたように思われる。日本・東洋分野では、今日の絵画コレクション研究への貢献も果たした。
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自由記述の分野 |
美術史学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
芸術概念は近代以降に形成、確立されたにもかかわらず、前近代の造形物についての研究においても、しばしば無前提に芸術概念が適用されるきらいがある。ベルティンクにより、前近代の造形物研究にはイメージ概念の適用が提唱され、一定の成果を挙げてきているものの、イメージの内包する範疇はあまりにも大きく、時に曖昧性を除去しえない。そのため、本研究では前近代に既に存在していた宝物概念をイメージの代わりに用いることにより、近代以前の造形物とそれをめぐる文化の理解に新たな地平を開こうとするものであり、近代以降の概念のくびきから一旦距離を置いて、前近代の造形物を捉える新たな視座を提供しうる。
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