研究課題/領域番号 |
18H00631
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
岩佐 光晴 成城大学, 文芸学部, 教授 (10151713)
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研究分担者 |
小澤 正人 成城大学, 文芸学部, 教授 (00257205)
能城 修一 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 客員教授 (30343792)
安部 久 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80343812)
増田 政史 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 研究員 (50847134)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 木彫像 / 樹種 / 南禅寺 / 坂ノ上薬師堂 / 神像 / 関市春日神社 / 能狂言面 / デジタルマイクロスコープ |
研究実績の概要 |
本年度は新型コロナウィルスの感染拡大により、国内外ともに現地調査による研究活動はほとんど実施できない状況が続いた。従って、ディスクワーク主体の研究活動に専念することに研究計画を変更した。 本研究グループはこれまで国内を中心に木彫像の樹種に関する調査を実施し、その成果は、鋭意公表してきた。しかし、静岡県河津町所在の南禅寺諸像、静岡市所在の坂ノ上薬師堂諸像、全国の神社・寺院や博物館に所蔵される神像については、調査した作品数が膨大なため、資料整理を十分行っていないこともあり、データは未公表の状態にある。従って、この機をとらえて『報告書』の刊行を計画し、そのための資料整理及びデータの検討を行った。あわせて、国内外に所在する中国の木彫像に関する情報収集を行なった。 なお、コロナ禍の影響で、調査の実施は難しい状況であったが、東京国立博物館に寄託されている岐阜県関市・春日神社の重要文化財能狂言面53面と附の古楽面8面の樹種調査を実施した。本調査は、本研究グループのメンバーが進めている同社能狂言面の総合的な調査の一環として実施したもので、従来は主に目視によって行われていた能狂言面の樹種同定を科学的な方法で解明を初めて試みるという意味で画期的といえる。試料のサンプリングは難しいため、非破壊による方法としてデジタルマイクロスコープを導入した。サンプリングによって得た試料を電子顕微鏡で観察する方法と比較すると、その精度は劣るとはいえ、組織の特色を捉えることは可能で、非破壊による樹種同定の方法としては有効であることを認識するに至った。また、能面は彫像と比較して、マイクロスコープの設定がしやすく、画像データの収集がしやすいことも確認できた。今年度は1回のみの調査であったが、次年度も継続して調査を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの蔓延拡大の影響により、国内外での現地調査がほとんど実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
国内外での現地調査に関しては予算を次年度に繰り越して実施する。
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