研究課題/領域番号 |
18H00636
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
大角 欣矢 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (90233113)
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研究分担者 |
太田 峰夫 京都市立芸術大学, 音楽学部, 教授 (00533952)
井上 さつき 愛知県立芸術大学, 音楽学部, 名誉教授 (10184251)
片山 杜秀 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (80528927)
丸井 淳史 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (90447516)
渡辺 裕 東京音楽大学, 音楽学部, 教授 (80167163)
土田 英三郎 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (10143645)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 演奏分析 / ヴァイオリン / レコード / 鈴木鎮一 / 歴史的音源 / メディア / 早教育 / スズキ・メソード |
研究成果の概要 |
本研究では、鈴木鎮一の音楽家としての自己形成過程とスズキ・メソード誕生の背景を、レコード等新興メディアとの関わりなど社会文化的脈絡に着目しつつ検証した。演奏分析から、鈴木の演奏様式が師クリングラーとレコード聴取の両面を通じて形成されたことが明らかになった。1920年代以降のレコード文化の成長と熟成がその背景をなしており、彼の音楽活動も常にレコード聴取層との密接な関係性の中で行われていた。スズキ・メソード成立の背景には大正期以来の「天才教育」論と、「少国民」を一人残らず高度な能力を持つ人間に育てる戦時体制下の国民教育論があると見られる一方、レコードはその理念の実現を助ける効果的なツールであった。
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自由記述の分野 |
音楽学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来も個々の演奏家の演奏分析は行われてきたが、レコード等近代メディアの隆盛が演奏様式や演奏文化に与えた影響については十分検討されてきたとはいえない。また鈴木鎮一とスズキ・メソードについては、音楽教育学的な観点から多く研究されてきたが、彼の演奏自体やその形成過程、その歴史的意味について検討した研究はあまり見当たらない。本研究は、演奏の技法や様式の分析とその歴史的コンテクスト、とりわけ社会文化的背景に着目し、複数の異なる視点からそれら相互の関係性をあぶりだすことで、1920-30年代の日本の音楽文化の一側面に光を当て、世界に普及したスズキ・メソード成立の背景を、従来より幅広い視野から明らかにした。
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