研究課題/領域番号 |
18H00648
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
赤間 亮 立命館大学, 文学部, 教授 (70212412)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 絵入本 / 絵手本 / 浮世絵 / 異版 / ポータルデータベース / 画譜 / 画像マッチング |
研究実績の概要 |
【4月~7月】初年度にあたり、アーカイブ済み作品のメタデータ精緻化を行なった。【8月】欧州のデジタル化未完所蔵機関について、作品デジタルアーカイブを実施した。(オランダ・ライデン民俗学博物館〈版本〉、ベルギー・王立美術歴史博物館〈版本〉、英国・大英博物館〈摺物・浮世絵〉、スイス・チューリッヒ:グロスコレクション〈デザイン系版本〉)。グロスコレクションは、チューリッヒ大学の美術専攻の教員・学生の協力を受けている。【9月】中心課題であるシカゴ美術館ライアソンコレクションの作品を対象にシカゴ大学と協力の上、デジタルアーカイブを進めた。また、カリフォルニア大学バークレー校東アジア図書館では、旧三井本のうち、文学(草双紙)・美術・工芸分野の版本についてデジタル化を実施した。なお、東アジア図書館では、バークレー校のプロジェクト予算によりデジタル化されていた「家伝集」を古典籍データベースに組み込み、ユーザーメモ機能により索引化を行った。【10月~2月】以上のデジタル化資料について、デジタルファイルの調整・処理を行ない、ARC浮世絵ポータルDB、ARC古典籍ポータルDBに掲載した。【2月】バークレー校東アジア図書館所蔵本、美術工芸・仏教分野の作品をデジタル化した。【3月】シカゴ美術館ライアソンコレクション(シカゴ大学の協力)、英国・Ebi氏コレクション〈版本〉のデジタルアーカイブを実施した。英国・ケンブリッジ大学図書館、イタリア・ヴェネチア東洋美術館、オランダ・Nihon no Hanga美術館のデジタル作品の公開について打合わせを行ない、2019年度での一般公開を約束できた。帰国後、引続き画像処理とデータベースへの掲載、メタデータ付与を行なった。 なお、公開許可契約のできている大英博物館・バークレー校東アジア図書館・Ebi氏所蔵作品については、2018年度中に一般公開を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りの進捗状況であり、引続き継続的に調査・デジタルアーカイブを実施し、また、一般公開に向けた調整も続けたい。 なお、予定していた海外学会での発表は、いずれも日程が合わず、実施できなかったが、2019年度以降に連続して発表が決定しているので、この点については十分に挽回できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、調査機関に隣接する大学との連携をさらに進め、教育的な効果も加速しながら、プロジェクトの進化を図りたい。また、デジタル化にプラスした活用事例の提案も引続き行っていきたい。活用事例につなげるため、別予算によりARC古典籍DBに画像マッチングによる、異版・別板の比較システムを追加しており、このシステムの有効活用も視野に入れた情報収集も行いたい。
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