研究課題/領域番号 |
18H00651
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
東 英寿 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (90218686)
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研究分担者 |
副島 一郎 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (00288565)
合山 林太郎 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (00551946)
内山 精也 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20275019)
山本 嘉孝 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (40783626)
浅見 洋二 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70184158)
宮原 哲浩 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (90209932)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 唐宋八大家 |
研究実績の概要 |
本年度は、本科研の中心的活動である「唐宋八大家シンポジウム」の第5回を令和2年11月7日にオンラインで開催した。当初、本シンポジウムは、5月16日に九州大学で開催する予定であったが、新型コロナウイルスの流行のために半年延期し対面での開催を目指した。しかし、新型コロナウイルス感染症は収束せずに最終的にはオンラインで開催することとなった。そのため、当初シンポジウムの研究発表に招請していた台湾の政治大学・陳英傑氏の来日がかなわず、科研メンバーの合山と東の2名での研究発表となった。それぞれの発表テーマは次の通りである。合山林太郎「サクラ(桜花)の漢名をめぐる近世日本の議論と宋詩」、東英寿「歐陽脩は二重人格か―詞の作成場面と受容環境に着目して―」。 このシンポジウムでの発表も取り入れて、令和3年3月に『唐宋八大家の探究』(花書院)を刊行し、令和2年度の研究成果を公表した。『唐宋八大家の探究』には、第5回「唐宋八大家シンポジウム」で発表をした合山、東の論文以外に、当初来日してシンポジウムに参加予定であった陳英傑氏の論文も収録し、さらにこれまで本科研プロジェクトで交流をしていた中国、台湾、シンガポール在住の研究者、及びシンポジウムに参加した日本在住の研究者の唐宋八大家に関連する研究成果合計10篇を収録した。令和2年度は新型コロナウイルス感染症の流行のため、これまでのように国際学会に参加できず研究成果の発表や交流の機会が減少したが、本書『唐宋八大家の探究』に中国、台湾、シンガポール在住の研究者4名の唐宋八大家に関連する論文を収録できたことにより、海外の学者と研究上の交流ができたことは、今後、本科研の研究を進める上で大きな収穫となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本科研は、研究課題「唐宋八大家散文の特色とその受容に関する総合的研究」と密接に関連する「唐宋八大家シンポジウム」を毎年開催し研究を進めて行くことを中心的活動としている。本年度は、「第5回唐宋八大家シンポジウム」を当初5月16日に九州大学で開催する予定であったが、新型コロナウイルスの流行のために一旦開催の延期を決めた。ただ、シンポジウムは本科研の中心的活動なので、開催を半年程延期することとし感染の推移を確認した上で、最終的には11月7日にオンラインで開催した。新型コロナウイルスの流行という想定外の状況が生じたが、毎年「唐宋八大家シンポジウム」を開催するという研究計画を維持できたことで、研究が順調に進展していると言える。 また、研究3年目の成果として令和3年3月に『唐宋八大家の探究』(花書院、全232頁)を刊行することができた。研究期間の1年目の成果として『唐宋八大家の世界』、2年目の成果として『唐宋八大家の諸相』を刊行しており、これら3書を総合すると、唐宋八大家の個別研究としては、韓愈4編、柳宗元3編、歐陽脩4編、蘇洵1編、曾鞏3編、王安石3編、蘇軾5編、蘇轍3編となり、多い少ないはあるが唐宋八大家8人全てを網羅し、合計26編の論文を収録することとなった。これらの個別研究以外にも広く唐宋八大家に関連する論考5編も収録し、3書合わせて31編の論文を収録している。これら31編には、日本、中国、台湾、韓国、シンガポール在住の研究者の論文が含まれており、日本語の論文が17編、中国語の論文が14編となっている。この科研プロジェクトが日本のみならず、海外在住の研究者と密接に繋がり国際的に展開できていることがわかる。 これまでの3年の研究期間で、「唐宋八大家シンポジウム」を5回開催し、さらに毎年、研究成果を書籍としてまとめて刊行しているので、進捗状況は予想以上に順調であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
科研の最終年度である本年度(2021年度)は、本科研の初年度から毎年度開催している「唐宋八大家シンポジウム」の第6回目を5月に開催する予定であったが、新型コロナウイルスの流行のために日程を変更して11月に開催することにした。シンポジウムの形式は対面での開催を目指しているが、新型コロナウイルス感染症の状況次第では、オンラインでの開催も視野に入れている。このシンポジウムでは、本科研を締めくくるべく、科研メンバー3名の成果発表を予定している。 本科研では、この「唐宋八大家シンポジウム」を毎年開催することを通して研究を進展させて、毎年度、研究成果をまとめてきた。初年度は『唐宋八大家の世界』、2年目は『唐宋八大家の諸相』、3年目は『唐宋八大家の探究』として研究成果を公刊した。 本年度は科研の最終年度に当たるので、科研メンバーがこの4年間で研究した成果をまとめ、『唐宋八大家研究』を刊行する。10月末までに科研メンバーから提出された、唐宋八大家に関する論文やコラムの原稿を研究代表の東が編纂し、2022年3月に『唐宋八大家研究』を刊行し4年間の研究成果を公表する予定である。
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