研究課題/領域番号 |
18H00653
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
遠藤 不比人 成蹊大学, 文学部, 教授 (30248992)
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研究分担者 |
秦 邦生 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00459306)
中井 亜佐子 一橋大学, 大学院言語社会研究科, 教授 (10246001)
田尻 芳樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20251746)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 反心理学 / モダニズム / 近代心理学 / 反美学 / 触覚 / もの理論 / 半植民主義 / 不可視性 |
研究成果の概要 |
本研究は「反心理学」という論点から、英国モダニズムを近代心理学の歴史に位置付け、当時の心理学言説とモダニズム文学・文化との対抗関係、身体性と「もの」に関する新たな理論の整理、プリミテヴィズム美学の再解釈、反植民地主義の政治理論と運動、といったテーマを横断的・総合的につなぐ文化史の枠組みを構築した。共通する目的は、「心」という定義上不可視のものを可視化する試みである近代心理学の根源的な不可能性を暴露するために、独特の物質(もの)/身体性を露出した言語として、モダニズムを再歴史化することである。ペンシルベニア大学やコーネル大学などの研究者と連携し、研究の国際性と学際性を獲得することもできた。
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自由記述の分野 |
英文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、心理学との親和性あるいは心理学批判という点からはimpersonalityということが強調されてきた従前のモダニズム研究に介入するため、反視覚としての「もの」「触覚」という視点から、「反心理学」「反美学」という新たな概念を構築することを目指した。それと同時に、この歴史化の試みにおいて、近代心理学を専門とする歴史家と共同研究をすることにより、文学と歴史研究の学際的な架橋を試みた。このように英国モダニズムを近代心理学史に文脈化することで、従来にはない文化史の可能性を創り出すことができたことに主たる意義がある。特に「もの理論 Thing Theory」を視野に入れたことに独自性がある。
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