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2022 年度 研究成果報告書

ロシアとコーカサス諸地域の文化接触:受容と変容と離反のダイナミズム

研究課題

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研究課題/領域番号 18H00655
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分02040:ヨーロッパ文学関連
研究機関東京大学

研究代表者

楯岡 求美  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (60324894)

研究分担者 中村 唯史  京都大学, 文学研究科, 教授 (20250962)
Grecko Valerij  東京大学, 教養学部, 特任准教授 (50437456)
伊藤 順二  京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (80381705)
佐藤 千登勢  法政大学, 国際文化学部, 教授 (90298109)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードコーカサス / ソ連文化 / 複数言語性 / アルメニア / ジョージア / 映画 / トフストノーゴフ / アヴァンギャルド
研究成果の概要

コーカサス諸共和国出身の創作者たちが、ソ連の規範文化(公式文化)の形成に寄与した際、ロシアと出身地域においてどのような創作活動を行わったのかについて研究を行った。ソ連において文学・舞台芸術・映画では統制をかいくぐって実験的表現の可能性が行われたが、諸民族共和国では言語の複数性を利用して検閲をかいくぐる態度も見られた。他方、民族作家の作品翻訳に際してエキゾチックな要素が追加される問題とともに、別の既存の作品をもとにした翻案の創作依頼が行われていた可能性がある。伝統文化がかえって前衛志向の芸術家たちの実験的表現の中に組み込まれたり文化記念碑の部分的装飾として継承されたこともソ連文化の多様性である。

自由記述の分野

ソ連文化研究

研究成果の学術的意義や社会的意義

複数言語性に注目することで、民族共和国において検閲に対して緩やかな抵抗が行われていたことを明らかに出来た。また、中央政府(モスクワ)と個別の民族文化、という1対1対応だけではなく、多様な文化が併存する中で、前衛芸術家たちが民族文化を部分的に摂取し、コラージュすることもまた伝統の保全や変容のプロセスに寄与していたことが分かった。ソ連の歴史を負の遺産として忘却したり改変したりしようとする動きに対して、文化的多様性の研究は多角的な検証の必要性を訴えるのに有効であり、国際研究協力体制を構築する過程でも、フェイクヒストリーなど文化記述というアクチュアルな問題を考える受けで重要であることが確認できた。

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公開日: 2024-01-30  

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