研究課題
本研究課題は、日本語のハとガの振舞いを例に Kuroda (1972) が言語学に導入した「複合判断 (categorical judgment)」と「単独判断 (thetic judgment)」という論理的対立をドイツ語学の立場から以下の 3 相で根本的に捉え直すことを通じ、従来建設的に議論し難かった「文構成における主語の必要性」の問題を相対化し得る、より普遍性の高い「非デカルト派」文法理論の構築に向けた経験的基盤を整備することを目的としている:① 複合判断・単独判断について、多分に日本語寄りの Kuroda (1972) の解釈を提唱者 Anton Marty に立ち返って再検討し、言語中立的かつ原典に忠実なかたちで定義し直す;② ①の経験的事例としてドイツ語に焦点を当て、「主語」が鍵を握るさまざまな現象を統括するグランドデザインを示すことで、上述両範疇の言語学的関与性を裏づける;③ 19世紀の埋もれた言語哲学の発想を採り入れることで現代の理論言語学の枠組みを再活性化し、経験科学としての言語学から哲学的言語論への提言を行う土台を提供する2021 年度は、コロナの影響で引き続いて期間を延期して、成果の発表・刊行に努めた。その結果、研究代表者・分担者の全員が研究論文を発表することができた。また、上記 3 つの研究目的に関連するかたちで 3 冊の研究論集を上梓するに至った。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うちオープンアクセス 6件、 査読あり 7件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 4件) 図書 (3件) 備考 (1件)
『ドイツ語学への視点・ドイツ語学からの視座 ―成田節教授退職記念論文集―』カン ミンギョンほか[編]
巻: - ページ: 31-47
ドイツ文学
巻: 166 ページ: -
巻: ー ページ: 18-30
巻: 166 ページ: ー
巻: ー ページ: 126-138
『複合判断・単独判断とドイツ語文法 ― 定性を軸に ―』藤縄康弘[編](日本独文学会研究叢書 Nr. 150)
巻: - ページ: 53-68
巻: ー ページ: 23-35
広島ドイツ文学
巻: 34 ページ: 1-16
巻: ー ページ: 69-77
『ノモスとしての言語』大宮勘一郎・田中愼[編]
巻: ー ページ: 309-328
Tagungsband der "Asiatischen Germanistenta-gung 2016 in Seoul", ed. by Seong-Kyun Oh, et al.
巻: ー ページ: 153-163
巻: ー ページ: 37-52
『複合判断・単独判断とドイツ語文法 ―定性を軸に―』藤縄康弘[編](日本独文学会研究叢書 Nr. 150)
巻: ー ページ: 9-22
http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/fujinawa/kaken/18H00664/