研究課題/領域番号 |
18H00668
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
佐野 直子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (30326160)
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研究分担者 |
糟谷 啓介 一橋大学, 大学院言語社会研究科, 特任教授 (10192535)
石部 尚登 日本大学, 理工学部, 准教授 (70579127)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | フランス語圏 / パトワ / 少数言語 / 言語観 |
研究実績の概要 |
2019年度は、各自調査とともに、国内での会合を積極的に開催し、後半の研究成果のアウトプットにつなげるための研究ネットワークの構築に力を注いだ。まず2019年5月に開催された日本ロマンス語学会にて、「パトワ」概念の特に16-18世紀までの歴史的変遷についての発表を行い、現在その発表に基づいた論文を日本ロマンス語学会誌に投稿中である。また、2019年7月には、マカオの「パトワ」について研究している内藤理佳氏と富盛伸夫氏にもご参加いただいての研究会を開催した。マカオのポルトガル系住民のことば「マカエンセ」が「パトワ」と呼ばれることもあることについて、なぜ「パトワ」という言語名称が固有名詞として残されているのかについては、今後のさらなる調査が必要であるものの、「フランス語圏」を超えた「パトワ」という呼称の思わぬ広がりについて確認できたことは非常に興味深い。この会合では、最終年度に開催予定のシンポジウムについての打ち合わせも行った。 8-9月には各自の調査と、2021年開催予定のシンポジウムについて、フランスの研究者への打診と打ち合わせを行った。10月には科研代表者・分担者・研究協力者の会合を開いて2020年7月に開催予定(1年後に延期)であった国際オクシタン語学会の発表についての確認を行った。2-3月にはさらなる追加調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
それぞれの調査は2年間順調に進み、日本ロマンス語学会での発表、国際オクシタン語学会への発表申し込み全員受理と研究発表機会も得てきた。また、「パトワ」概念がフランス語圏を超えて広がっていることなどが確認され、今後のシンポジウムの企画も具体化しつつある。ただし、3月に実施した研究協力者の調査は、ヨーロッパのコロナウィルスの状況が急激に悪化したため急遽調査を途中打ち切りにして帰国することとなってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年7月にイタリアのクーネオで開催予定であった国際オクシタン語学会が来年に延期となり、、今後の推進方策について不透明感が出つつある。年度内開催が実現できた際には、学会での議論交流を行うことで、2021年度に日本で開催予定のシンポジウムにつなげる予定であるが、場合によっては延期や方法の変更が必要になる可能性もある。歴史的検討の部分についてはこの2年で集めた資料をもとに分析をすすめ、メンバーとのオンライン会合などを行い、今後積極的なアウトプットをはかる。
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