研究課題/領域番号 |
18H00668
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 愛知県立大学 (2020-2022) 名古屋市立大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
佐野 直子 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (30326160)
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研究分担者 |
糟谷 啓介 一橋大学, 大学院言語社会研究科, 特任教授 (10192535)
石部 尚登 日本大学, 理工学部, 准教授 (70579127)
佐野 彩 上智大学, 外国語学部, 研究員 (10910523)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | パトワ / 「言語」概念 / 方言 / 概念の歴史的変容 / 概念の地域差 |
研究成果の概要 |
本研究によって明らかになったのは特に以下の2点である。第一に、15世紀には意味不明な発声(個人や動物含む)を指示していた「パトワ(patois)」概念が、「言語(langue)」に「生きた(フランス語など)/死んだ(ラテン語など)」の区別が導入された際に、「生きた言語」の規範から外れる言語行動を名指す概念に変容し、17世紀に広く定着したこと。第二に、フランス語圏の境界地域に「パトワ」概念が拡散されようとした際、言語呼称としての固有名詞化(フランコプロヴァンサル語地域)、「方言」概念化(ベルギー)、侮蔑的呼称として拒否(カタルーニャ語地域)など、多様な受容(または受容拒否)が起きたことである。
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自由記述の分野 |
社会言語学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、社会言語学の分野において、ソシュール以来の「言語」概念の体系性などが疑念に付され、「言語」という枠組みを超える人々の言語行動をどのように分析するか、という議論が盛んになっている。その中で、フランス語圏で「言語」の対概念として成立した「パトワ」概念の形成と歴史的変遷、地域ごとの変異を明らかにすることで、「言語」概念自体の揺らぎと政治性と問い直すことが可能になる。
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