研究課題/領域番号 |
18H00679
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
三枝 令子 専修大学, 文学部, 特任教授 (60215580)
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研究分担者 |
松下 達彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00255259)
小林 元 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (20423791)
稲田 朋晃 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (20799233)
品川 なぎさ 国際医療福祉大学, 総合教育センター, 講師 (30445142)
庵 功雄 一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 教授 (70283702)
山元 一晃 国際医療福祉大学, 総合教育センター, 助教 (70799866)
石川 和信 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (80222959)
丸山 岳彦 専修大学, 文学部, 准教授 (90392539)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 医学教育 / 医師国家試験 / 医学語彙教材 / 医学用語の分類 |
研究実績の概要 |
まず、医学部課程の6年間で使用する教材から医学の専門家のアドバイスを受け、データベース化する教材を選んだ。これをテキストファイル化するとともに、医学の分野を次の27分野に分けた。 呼吸器疾患、循環器疾患、消化器疾患、内分泌疾患、代謝性疾患、血液疾患、腎疾患、泌尿器疾患、肝・胆・膵疾患、アレルギー疾患、神経疾患、筋疾患、皮膚疾患、精神疾患、感染症疾患、寄生虫疾患、膠原病・免疫疾患、小児科疾患、新生児疾患、耳鼻咽喉疾患、眼科疾患、中毒性疾患、産婦人科疾患、生殖器疾患、歯科・口腔外科疾患、救急疾患 この分類基準にそってテキストファイルのデータを振り分け、コード化し、形態素解析を行った。形態素解析を行う際には、ファイル中のテキストが句点で終わる行と句点で終わらない行とを分け、句点で終わる行を分析の対象にした。句点で終わらない行には、主に、見出し、薬品名、処置名等が含まれる。平成30年度は短単位での形態素解析を行い、頻度分析、多次元尺度法による分析等を行った。 調査の結果、医学用語は一般的な語とはかなり異なる特徴を持つことがわかった。たとえば、動詞には「呈する」「きたす」等、一般の日本語学習語彙には含まれないものが上位に現れた。名詞がもっとも多く使われているが、「治療」「症状」「薬」「障害」「疾患」「診断」「検査」等、医学に特徴的な語が並んだ。効率的な語彙学習のためには、専門分野別の教材開発が不可欠であると言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初、選んだ医学教材をOCRソフトで電子テキスト化することを考えていた。この作業は、時間的、物理的にかなりの作業量が見込まれた。しかし、医学教材のテキストファイルが入手できたため、細かいファイルの作成作業は必要であったものの、OCRソフトで読み込んだデータの読み誤りを探し、修正する作業は必要がなくなった。このため、形態素解析に予定より早く着手できた。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度の形態素解析は、短単位で行った。今後は、長単位での分析をすすめていく。また、この研究の最終目標である医学用語の学習教材を作成するためには、医学用語の共起関係、コロケーションの分析を進めること、医学語彙とその他のコーパスとの比較を行って、医学用語の難しさの原因を実証的に明らかにしていく必要がある。 すでに実際の医学教育現場でこれまでの語彙分析結果を生かして、語彙問題を開発し、暫定的に使用している。今後もこの開発、試用を進めるとともに、既存の語彙教材を参考に、教材のありかたを並行して考えていきたい。
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