• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実績報告書

日本国内で医師を目指す外国人を対象とした医学語彙教材開発のための総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18H00679
研究機関専修大学

研究代表者

三枝 令子  専修大学, 文学部, 特任教授 (60215580)

研究分担者 松下 達彦  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00255259)
小林 元  国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (20423791)
稲田 朋晃  国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (20799233)
品川 なぎさ  国際医療福祉大学, 総合教育センター, 講師 (30445142)
庵 功雄  一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 教授 (70283702)
山元 一晃  国際医療福祉大学, 総合教育センター, 助教 (70799866)
石川 和信  国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (80222959)
丸山 岳彦  専修大学, 文学部, 教授 (90392539)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード医学教育 / 医師国家試験 / 医学語彙教材 / 医学用語の分類
研究実績の概要

まず、2018年度に作成した4冊の医学書データベースの整備作業を行った。当初、医学の分野を27に分類したが、検討の上、1分野増やして28分野とし、全体の分野別分類に若干の修正を施し、組み換えを行った。また、分担者が随時データにアクセス、分析作業が行えるように、ネット上の作業環境を整えた。さらに、これまで形態素解析を短単位のみで行っていたが、分野別ごと、また医学書全データ対象に長単位の分析も行えるようにした。これによって、これまで手がつけられなかった複合語の分析が可能になった。たとえば、これまで「関節炎」は「関節」と「炎」に切り分けられていたが、「関節炎」を一語として検索できるようになった。
次に医学書の特徴を明らかにするため、参照コーパスとして『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)をとりあげ、その用法との比較分析を行った。医学書の高頻度動詞には、BCCWJとは異なる意味、また、より限定された意味で使われる動詞が見られた。これについては、論文としてまとめ、すでに公表されている。
さらに教材化のための準備作業として、4冊の医学書の索引のテキストデータ化、医学事典の見出し語と英訳の抽出作業を行った。また、現在取り上げている医学書は、幅広く疾患が網羅されており、マニュアル的な参照に利用される点で語彙収集には適しているが、学生が医師国家試験対策として使用する参考書とは記述の仕方、取り上げる範囲に異なりがある。そこで、国家試験対策本を本研究の現在作成した医学書データに加えるべく、本の選定およびテキスト化の準備を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

質の高いアルバイタが確保できていることが大きい。また、分担者が各自医学書のデータベースにアクセスできるようにしたため、分析作業が進んだ。

今後の研究の推進方策

分析対象としている医学書のバリエーションを広げること、また、現在、書き言葉、すなわち医師国家試験の筆記試験対策を中心に分析作業を行っているが、医療面接が国家試験にあることに鑑み、医学の話し言葉(医療従事者間、医師と患者間の会話)の分析も進める必要があり、医療面接のデータの分析に着手しようとしている。
また、医学を専攻している外国人留学生は、紙ベースの教材を参照することはほとんどないということで、教材のWeb化が必要になる。まずは紙ベースで素案は作るが、Web化への手立ても並行して具体的に考えていく必要がある。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 医学用語の収集と分類2020

    • 著者名/発表者名
      三枝令子・丸山岳彦・松下達彦・品川なぎさ・稲田朋晃・山元一晃・石川和信・小林元・遠藤織枝・庵功雄
    • 雑誌名

      日本語教育

      巻: 176 ページ: 33-47

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本語教育で扱うべき語の選定のための医学用語と一般語のはざまの語彙の分析2020

    • 著者名/発表者名
      山元一晃・稲田朋晃・品川なぎさ
    • 雑誌名

      日本語教育

      巻: 175 ページ: 80-87

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 学部入学前日本語予備教育における学術共通語彙知識の獲得ー国立大学に入学する韓国人学習者を例としてー2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤尚子・松下達彦・笹尾洋介・田島ますみ・橋本美香
    • 雑誌名

      千葉大学国際教養学研究

      巻: 4 ページ: 55,65

  • [雑誌論文] 動詞に見る医学用語の特徴ーBCCWJとの比較から見えることー2019

    • 著者名/発表者名
      三枝令子・丸山岳彦・庵功雄・松下達彦・石川和信・小林元・品川なぎさ・稲田朋晃・山元一晃・遠藤織枝
    • 雑誌名

      専門日本語教育研究

      巻: 21 ページ: 69、76

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 医学部留学生を対象とした医学日本語授業の実践ー医学教員との連携による日本語教育の取り組みー2019

    • 著者名/発表者名
      品川なぎさ・稲田朋晃
    • 雑誌名

      専門日本語教育研究

      巻: 21 ページ: 61、68

    • 査読あり
  • [学会発表] How do International Students Learn Japanese Medical vocabulary in Medical school?2020

    • 著者名/発表者名
      Tomoaki Inada, Nagisa shinagawa、Gen Kobayashi, Kazuaki ishikawa
    • 学会等名
      Asia Pacific Medical Education Conference 2020
    • 国際学会
  • [学会発表] 医学部外国人留学生の医療コミュニケーションにおける日本語の問題点2019

    • 著者名/発表者名
      品川なぎさ・稲田朋晃
    • 学会等名
      第4回国際臨床医学会
  • [学会発表] 医学部留学生に観察された日本語コミュニケーションの問題点2019

    • 著者名/発表者名
      品川なぎさ・稲田朋晃・小林元・石川和信
    • 学会等名
      第51回日本医学教育学会
  • [学会発表] 医学部留学生の医学日本語語彙の学習状況2019

    • 著者名/発表者名
      稲田朋晃・品川なぎさ・小林元・石川和信
    • 学会等名
      第51回日本医学教育学会
  • [学会発表] 専門用語と一般語のはざまー医師国家試験の語彙からの一考察ー2019

    • 著者名/発表者名
      山元一晃・稲田朋晃・品川なぎさ
    • 学会等名
      2019年度日本語教育学会春季大会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi