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2019 年度 実績報告書

日本語配慮表現辞典の基盤形成のための配慮表現正用・誤用データベースの構築

研究課題

研究課題/領域番号 18H00680
研究機関創価大学

研究代表者

山岡 政紀  創価大学, 文学部, 教授 (80220234)

研究分担者 小野 正樹  筑波大学, 人文社会系, 教授 (10302340)
牧原 功  群馬大学, 国際センター, 准教授 (20332562)
斉藤 信浩  九州大学, 留学生センター, 准教授 (20600125)
甲田 直美  東北大学, 文学研究科, 准教授 (40303763)
斉藤 幸一  広島修道大学, 学習支援センター, 学習アドバイザー (50649845)
三宅 和子  東洋大学, 文学部, 教授 (60259083)
大和 啓子  群馬大学, 国際センター, 講師 (60640729)
伊藤 秀明  筑波大学, 人文社会系, 助教 (70802627)
西田 光一  山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (80326454)
遠藤 李華  創価大学, 公私立大学の部局等, 助教 (40854089)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード配慮表現 / ポライトネス / 敬意表現 / 慣習化 / 語用論
研究実績の概要

2019年度の活動は大きく二つの柱があった。第一の柱として新刊書『日本語配慮表現の原理と諸相』(以下、新刊書)を2019年11月にくろしお出版より刊行したこと。第二の柱はデータベース入力項目を確定して具体的に開始することである。まず、新刊書の初稿提出は2018年度内に終えていたが、4月から5月にかけて各筆者と編者とのやり取り・修正を終え、5月にくろしお出版への全章の完全出稿を終えた。
2019年8月26日~28日には静岡県内にて本研究課題の研究合宿を行った。ここには研究代表者1名、研究分担者8名、研究協力者3名、アルバイトとして研究に協力する大学院生2名、学部生1名、合計15名が参加し、うち12名が研究発表を行った。ちょうどこの時期は新刊書の初校の校正を行っている時期でもあったので、執筆担当者から各章の内容を報告してもらい、議論検討を重ね、初校段階で修正すべき点の確認を行った。また、研究代表者が具体的なデータベース入力項目案を提示し、議論検討を行った。その後、合宿後の9月以降、データベース入力を開始し、2020年3月に一旦回収を行った。項目と分担は以下の通りである。(1)ちょっと:牧原功、(2)よね:金玉任、(3)なんか:大和啓子、(4)させていただく:塩田雄大、(5)ぜんぜん:斉藤幸一、(6)引用表現(~って):小野正樹、(7)なるほど:李丹、(8)大丈夫:遠藤李華、(9)というか:孫守乾の9項目である。
新刊書はその後の校正を経て2019年11月18日に刊行した。ここでは研究代表者による第Ⅰ部「配慮表現の原理」(第1~3章)、研究分担者・協力者による第Ⅱ部「日本語配慮表現の諸相」(第4~10章)、第Ⅲ部「配慮表現の対照研究」(第11~14章)から成る。これにより配慮表現研究を大きく前進させることができ、今後のデータベース入力作業の基盤形成ができたと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新刊書『日本語配慮表現の原理と諸相』(くろしお出版)を予定通り2019年11月に刊行できたことで、本研究課題の大きな山を越えることができた。特に第Ⅰ部「配慮表現の原理」では配慮表現研究史を概観し、これを踏まえて配慮表現の定義の厳密化を行い、さらに配慮表現の分類と語彙の提案を行った。これによって、配慮表現を収集し、データベース化していくための理論基盤が完備したと言える。第Ⅱ部、第Ⅲ部でも各研究分担者・研究協力者が行った具体的な配慮表現への詳細な考察が収められており、今後のデータベース入力の素材として活かせるものである。
また、データベース入力についても、2018年度に行った試行版の入力と2019年8月の合宿研究会での議論検討を経て、入力項目が固まった。ここに新刊書の第Ⅱ部の成果を反映させることを中心に入力作業を行った。これもほぼ予定通りの進行であった。以上を踏まえておおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

今後はデータベース入力の具体的作業を推進していく。新刊書『日本語配慮表現の原理と諸相』では理論基盤の整備に重点を置いていたため、個々の表現の具体的研究としては限られた語彙を狭く深く行った状態である。今後は徐々に入力語彙を増やし、広く浅くデータベース入力を行っていく必要がある。今年度はそのペースアップを図っていく時期である。
また、データベースの個々の項目について保留している事柄がある。具体的には誤用例の収集が思いのほか難しいという報告があり、今後、誤用例の扱いについて再検討が必要だと考えている。また、外国語への対訳についても担当者によって若干の方針のずれが見られるため、今後、研究会等を通じて方針の統一を図っていく必要があると考えている。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (6件) (うちオープンアクセス 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 日本語配慮表現データベース構築プロジェクト報告(2)―2019年度の活動報告―2020

    • 著者名/発表者名
      山岡政紀
    • 雑誌名

      日本語コミュニケーション研究論集

      巻: 9 ページ: 74-89

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本語疑問表現の会話における発話役割―発話機能論からの考察2020

    • 著者名/発表者名
      山岡政紀
    • 雑誌名

      日本語語用論フォーラム

      巻: 3 ページ: 43-73

  • [雑誌論文] 賛否両論の発話について2020

    • 著者名/発表者名
      李奇楠
    • 雑誌名

      日本語コミュニケーション研究論集

      巻: 9 ページ: 26-45

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本語配慮表現データベース構築プロジェクト報告(1)―研究計画と2018年度の活動報告―2019

    • 著者名/発表者名
      山岡政紀
    • 雑誌名

      日本語コミュニケーション研究論集

      巻: 8 ページ: 1-14

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本語教科書に見られるポライトネスストラテジー : 初級教材と上級教材の比較を通して2019

    • 著者名/発表者名
      牧原功
    • 雑誌名

      日本語コミュニケーション研究論集

      巻: 8 ページ: 15-24

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 不利益行為における自他動詞の選択について : 配慮表現としての機能を中心に2019

    • 著者名/発表者名
      リナ・アリ
    • 雑誌名

      日本語コミュニケーション研究論集

      巻: 8 ページ: 36-43

    • オープンアクセス
  • [学会発表] ポライトネスと配慮表現2020

    • 著者名/発表者名
      山岡政紀
    • 学会等名
      フランス国立東洋言語文化大学「言語の主観性」研究会
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 配慮表現データベースの入力について2019

    • 著者名/発表者名
      山岡政紀
    • 学会等名
      日本語コミュニケーション研究会合宿
  • [学会発表] 日本語教育における配慮表現の導入と中級表現文型2019

    • 著者名/発表者名
      山岡政紀
    • 学会等名
      第2回中日言語と翻訳シンポジウム(中国・華僑大学)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 日本語配慮表現の原理と諸相2019

    • 著者名/発表者名
      山岡政紀
    • 総ページ数
      254
    • 出版者
      くろしお出版
    • ISBN
      978-4-87424-815-7 C3081

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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