研究課題/領域番号 |
18H00682
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田邉 鉄 北海道大学, 情報基盤センター, 准教授 (30301922)
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研究分担者 |
山崎 直樹 関西大学, 外国語学部, 教授 (30230402)
千田 大介 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (70298107)
山下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 准教授 (20383383)
吉川 龍生 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (30613369)
上地 宏一 大東文化大学, 社会学部, 准教授 (20468721)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中国語学習 / スタディスキル / CLIL / データベース / 高等教育 |
研究実績の概要 |
2019年度は前年度1月の研究集会時の打ち合わせで調整したロードマップをもとに、研究の深化をはかった。8月には中国学関係の複数科研と漢字文献情報処理研究会共催の研究集会を行い、成果報告を行うとともに、情報教育・言語教育・専門教育など、中国語・中国学以外の専門家とも意見交換を行った。3月には、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、学会大会の中止や研究打ち合わせの非対面化などの研究状況の大きな変化があり、逐次対応した。 【言語習得研究班】前年度に基本的な方針を示した、自律的な学習と評価の具体的イメージについての検討を深めた。また、「教育用教材のアクセシビリティ」「少数者差別に繋がらないための言語教材の配慮」などについて、新たな課題を得て、さらに深めるべく情報収集と議論を行った。 【スタディスキル研究班】現代の学校で求められる、新しいスタディスキルとしての「情報検索・活用・分析能力」と「情報発信能力」について、言語教育・学習に、具体的にどのように反映させるかについて、特に前年度に引き続いて「プログラミングやプログラミング言語を学ぶためのCLIL」について、スキルを細分化し、習得のためのタスクを検討し、11月にワークショップを実施した。以上の成果は、ネット検索を前提とした総合教科書の制作に部分的に活かした。 【多文化教育研究班】前年度に引き続き中国の文化事象を調べることのできる、辞書データベース構築に向けて資料収集・素材収集・テキスト入力作業を実施した。また、多文化・多言語やCLILに関連する国内外の先進事例について実地調査を行った。これまでに得られた知見を、文学テキストを用いた教科書制作に部分的に活かした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に新たに加えた課題を含め研究をすすめた。前年度末にロードマップを調整し、具体的な研究・開発項目を変更・追加した。研究の進展とともに言語教育固有の課題とICT教育利用一般の課題を切り分けた結果、ポライトネスなど新たな視座を追加した研究を行ったが、いずれも年度内に成果を総括し、発表することができた。8月には本年度前半の研究を総括、成果報告のための研究集会を行った。年度末には、新型コロナウイルス感染防止の観点から、予定されていた学会大会が中止になったが、代替措置として行われたオンラインでの発表で、本年度後半の成果報告を行うことができた。また、研究打ち合わせも従来から対面とともにGoogle Hangout等を併用していたことから、大きな計画変更はしなかった。大会参加のために計上していた経費を遠隔会議・遠隔授業実践のための設備にあて、次年度に向けてオンラインで打ち合わせを行い、また、授業実践や教材のオンライン化準備を行うなどし、研究計画の調整を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度には前年度に得た知見・情報をもとに研究を進める。国内外の実践事例を整理・分析し、課題のブラッシュアップを試みる。また本研究で提案する新たな形態の授業のための教材・教授法・学習成果の評価手法等の開発を引き続きすすめる。2020年度前半に実施予定のICTスキルを学ぶ中国語授業実践については5月11日までの延期と、遠隔授業として実施することが決まっており、状況の変化がなければ計画通り実施する。これに伴い、研究目的の範囲で「通勤通学が困難な環境下での授業の実施方法や教材開発」「アクティブラーニングやCLILの非同期化は可能か」などの課題を研究計画に追加する。下半期において、成果公開のためのサーバーを設定し、コンテンツの構築を実施する。8月に複数の中国学関係科研合同の研究集会を開催し、各研究によって得られた知見を共有する。1~2月に漢字文献情報処理研究会との共催で、年度成果報告のための研究集会を開催、外部の研究者とも情報共有・意見交換を行い、研究の深化をはかる。
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