研究課題/領域番号 |
18H00698
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒嶋 敏 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (90323659)
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研究分担者 |
杉本 史子 (山田史子) 東京大学, 史料編纂所, 教授 (10187669)
麻生 伸一 沖縄県立芸術大学, 音楽学部, 准教授 (30714729)
松尾 晋一 長崎県立大学, 地域創造学部, 教授 (40453237)
渡辺 美季 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (60548642)
片桐 千亜紀 九州大学, 比較社会文化研究院, 共同研究者 (70804730)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 歴史航海図 / 帆船の時代 / 琉球王国 / 海上交通 / サンゴ礁 |
研究実績の概要 |
本研究の期間初年次となる2018年度は、以下のような調査・研究活動を行った。 ①南西諸島の「歴史航海図」の所在情報 当該地域を描く前近代絵図および近代初期の海図について、収集と分類を進めた。このうち、より詳細な文字情報を持つ国絵図については、学術支援職員1名を雇用し、文字データの入力を行い簡易的なデータベースを作成した。また関連する絵図資料1点について、4×5ポジフィルムからのデジタル化を行なった。 ②史料調査 関連する史料の所蔵機関に赴き、熟覧調査およびデジタルカメラによる撮影を行った。調査先は、東京大学史料編纂所(「赤門書庫旧蔵地図」ほか)、鹿児島大学附属図書館(「市来氏琉球征伐日記」ほか)、沖縄県立博物館(「琉球明細総図」ほか)、琉球大学附属図書館(「琉球諸島図巻」)、沖縄県公文書館(「米軍撮影空中写真」)、沖縄県立図書館(「琉球古地図集成」ほか)である。 ③現地調査 2018年11月11日から14日にかけて、沖縄本島中南部の港湾と海上交通に関連する遺跡について、現地調査を行った。近代初期の海図をもとに、前近代の沿岸部地形に可能な限り迫りながら、関連するグスク・御嶽・寺院・古墓などを巡検した。とくに那覇港では、海上からの景観調査を行い、海図に描かれた対景図との照合を進めた。 ④研究会の開催 科研メンバーを中心に2回の研究会を開催した。第1回(2018年6月29日、於東京大学史料編纂所、報告:黒嶋敏)、第2回(2018年11月11日、於沖縄県立芸術大学、報告:黒嶋敏・麻生伸一)以上である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関連する絵図史料については現在までに約60点の所在情報を収集することができたが、これは当初の想定を上回るものであった。そのなかには、これまで未紹介のものもあり、各史料の分析と分類に、やや時間を要している。 一方、現地調査、とくに海上からの景観確認による成果は大きく、当該対象の分析には不可欠の作業であることが確認できた。また、国絵図文字情報のデジタル化など、データ入力作業については当初予定数を達成しており、研究計画全体としては、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画どおりに、①関連する絵図史料の所在情報収集、②史料調査、③現地調査、④研究会の開催について並行して進める。あわせて、本年度の研究によってより一層の検討が必要となった国絵図については、デジタル化作業による基礎データをもとに、研究期間内の公開方法について可能性を探ることとしたい。
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