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2019 年度 実績報告書

16~17世紀における銀の移動と情報伝達:グローバル・ヒストリーの視点から

研究課題

研究課題/領域番号 18H00699
研究機関東京大学

研究代表者

森脇 優紀  東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 特任助教 (90733460)

研究分担者 川村 信三  上智大学, 文学部, 教授 (00317497)
平山 篤子  帝塚山大学, 経済経営学部, 非常勤講師 (20199102) [辞退]
稲葉 政満  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 教授 (50135183)
伊藤 幸司  九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (30364128)
小島 浩之  東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 講師 (70334224)
丸橋 充拓  島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (10325029)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード世界システム論 / グローバル・ヒストリー / 大航海時代 / 比較・交流史 / 分析化学 / 料紙研究 / 古文書学 / 経済史
研究実績の概要

2019年度は、研究集会を2回行った。第1回目は、2019年6月2日に東京大学で実施し、研究の全体的な方向性をすり合わせ、当該年度の研究計画と役割分担を確認した。また、前年度3月に実施したイタリアのローマ・イエズス会文書館での調査に関する経過報告を行い、議論を深めた。第2回目は、2020年3月27日にオンラインにて実施し、今後の銀の化学分析用に購入したラテンアメリカ銀に関する研究報告を行い、情報を共有した。また、次年度コロナ禍での研究計画について打ち合わせた。
現地調査による関連資料の蒐集と分析、および古文書学の手法による文書料紙分析については、4カ所で実施した。まず、2019年6月に京都外国語大学付属図書館にて、「日本関係イエズス会文書」2点の調査を実施した。その他3か所については、2020年1月にイタリアのローマにあるアンジェリカ図書館、カサナテンセ図書館、バチカン図書館にて、キリシタン関係の文書および刊本について、文書料紙調査および製本構造調査を行った。
銀の分析については、これまでに行った東京大学大学院経済学研究科所蔵の日本銀資料との比較対照資料としてラテンアメリカ銀に着目して情報収集と研究を行い、今後の化学分析用としてラテンアメリカ銀資料41点を購入した。
2020年の新型コロナウィルス感染症の拡大以降は、国内外での文書調査や銀の化学分析の実施が困難となったため、各自で情報の収集・研究を進めていった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

前年度に引き続き、2019年度中にローマ・イエズス会文書館での料紙調査を実施する予定であったが、2019年9月にローマ・イエズス会歴史文書館のディレクターより、臨時改修工事のため2019年12月から2020年6月まで急遽休館するとの連絡があり、当該文書館での調査を延期せざるを得なくなった。さらに2020年春以降、新型コロナウィルス感染症の拡大により、当該文書館をはじめとする国内外での調査を中断せざるを得なくなったため。
銀の分析についても、新型コロナウィルス感染症の拡大により、分析のための施設利用が困難となり、分析を一時中断せざる得なくなったため。

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルス感染症の状況も勘案しつつ、基本的には2019年度と同様にオンラインによる会議や個別のメール連絡などにより、メンバー間の調整や情報共有を行なう。
調査については、新型コロナウィルス感染症の蔓延により実施することができなかった料紙調査を再開し、銀の組成分析も継続する。特に海外調査については、ローマ・イエズス会規則文書館での調査を再開させたいが、実施が困難であることが予想されるため、まずは国内で可能な調査を優先させる。
料紙調査は、キリシタン関係文書やキリシタン版を所蔵する日本二十六聖人記念館や天理図書館、上智大学キリシタン文庫、東京大学総合図書館において、承諾の得られた機関から順に、現地にて文書・刊本原本からの内容及び料紙調査を実施する。
銀の組成分析については、これまでに東京藝術大学において調査を蓄積してきた石見銀を中心とする国内銀の比較対照資料として、中国銀錠やボリビア銀(いずれも研究メンバー個人蔵)、2019年度に購入したラテンアメリカ銀などの国外の銀について、東京藝術大学の可搬型蛍光X線分析装置(XRF)分析を行う。さらに、資料に含まれる微量成分の情報をより明確に得るために、東京大学総合研究博物館タンデム加速器研究施設のタンデム加速器を用いた分析を計画している。
精密な分析データを蓄積できた時点で、これまでに協力を得てきた、石見銀山資料館、石見銀山世界遺産センター、島根県古代出雲歴史博物館の関係者にも随時情報を共有し、意見交換を行う。
また、貨幣以外の銀の流入・流出の痕跡の手がかりとなりうる銀資料の調査も検討している。特にキリシタンが用いたメダイなどの調査を視野に入れ、天草の﨑津教会史料館など所蔵機関との交渉・情報収集を進める。

  • 研究成果

    (19件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (5件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 図書 (8件)

  • [雑誌論文] モノを読み解くための覚書 : 調査票(カルテ)から考えるコンテンツ・コンテクストと定性・定量2020

    • 著者名/発表者名
      小島浩之
    • 雑誌名

      東京大学経済学部資料室年報

      巻: 10 ページ: 37-47

    • DOI

      10.15083/00079158

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本のキリスト教受容の諸相をふりかえって2019

    • 著者名/発表者名
      川村信三
    • 雑誌名

      カトリック研究所論集

      巻: 24 ページ: 31-57

  • [雑誌論文] 書評「東馬場郁夫著『きりしたん』受容史―教えと信仰の実践の諸相」2019

    • 著者名/発表者名
      川村信三
    • 雑誌名

      キリスト教史学

      巻: 73 ページ: 211-219

  • [雑誌論文] アジアに雄飛する大内氏2019

    • 著者名/発表者名
      伊藤幸司
    • 雑誌名

      歴博

      巻: 217 ページ: 2-5

  • [雑誌論文] Materials on Christianity and Spanish Documents in the Foronda Collection2019

    • 著者名/発表者名
      Yuki Moriwaki
    • 雑誌名

      CSEAS NEWSLETTER

      巻: 77 ページ: 47-48

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 16世紀におけるキリスト教日本宣教の特色2019

    • 著者名/発表者名
      川村信三
    • 学会等名
      東アジア福音化研究院「東アジアの天学の受容と展開」水原カトリック大学
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] シンポジウム「キリシタン研究の再考―過去・現在・未来」2019

    • 著者名/発表者名
      川村信三
    • 学会等名
      キリスト教史学会
  • [学会発表] イエズス会古文書紙質調査をうけて、その書簡内容の吟味2019

    • 著者名/発表者名
      川村信三
    • 学会等名
      キリスト教史学会
  • [学会発表] 公開講演「ザビエル型宣教時代の終焉ーキリスト教宣教のあらたな側面ー」2019

    • 著者名/発表者名
      川村信三
    • 学会等名
      日本カトリック神学会
    • 招待講演
  • [学会発表] The Principle of Document Preservation and the Reality (Part 2) : Let's make Origami Wrapper2019

    • 著者名/発表者名
      Yuki Moriwaki
    • 学会等名
      2nd International Workshop: Collaborative Practice for Establishing a Base of Academic Information between Japan and the Three Countries in Indochina
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 16世紀イエスズ会宣教師書簡に用いられた紙質調査報告2019

    • 著者名/発表者名
      森脇優紀
    • 学会等名
      上智大学史学会・院生会 合同月例会
  • [図書] 江南の発展 南宋まで2020

    • 著者名/発表者名
      丸橋充拓
    • 総ページ数
      210
    • 出版者
      岩波書店
  • [図書] 『歴史家の調弦』2019

    • 著者名/発表者名
      上智大学文学部史学科編
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      SUP上智大学出版
  • [図書] The Fufure of Evangelization in Asia2019

    • 著者名/発表者名
      F. Meroni and C.Devaass eds.
    • 総ページ数
      140
    • 出版者
      Urbaniana University Press
  • [図書] 室町戦国日本の覇者 大内氏の世界をさぐる2019

    • 著者名/発表者名
      伊藤幸司責任編集
    • 総ページ数
      418
    • 出版者
      勉誠出版
  • [図書] 港津と権力2019

    • 著者名/発表者名
      中世都市研究会編
    • 総ページ数
      476
    • 出版者
      山川出版社
  • [図書] 島嶼と海の世界2019

    • 著者名/発表者名
      大庭康時・佐伯弘次・坪根伸也編
    • 総ページ数
      180
    • 出版者
      高志書院
  • [図書] Nueva Espana, puertaamericana al Pacifico asatico2019

    • 著者名/発表者名
      Carmen Yuste Lopez
    • 総ページ数
      374
    • 出版者
      Universidad Nacional Autonoma de Mexico, Instituto de Investigaciones Historicas
  • [図書] 1571年 銀の大流通と国家統合2019

    • 著者名/発表者名
      岸本美緒編
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      山川出版社

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公開日: 2022-12-28  

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