研究課題/領域番号 |
18H00701
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木戸 衛一 大阪大学, 国際公共政策研究科, 准教授 (70204930)
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研究分担者 |
市川 浩 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (00212994)
高橋 博子 名古屋大学, 法学研究科, 研究員 (00364117)
和田 喜彦 同志社大学, 経済学部, 教授 (10326514)
北村 陽子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (10533151)
中尾 麻伊香 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (10749724)
佐藤 温子 大阪大学, 国際公共政策研究科, 招へい研究員 (20748264)
竹本 真希子 広島市立大学, 広島平和研究所, 准教授 (50398715)
川口 悠子 法政大学, 理工学部, 講師 (60612116)
小島 智恵子 日本大学, 商学部, 教授 (70318319)
山本 昭宏 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70644996)
友次 晋介 広島大学, 平和センター, 准教授 (90622019)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 放射性物質 / 核兵器 / 核発電 / ウラン採掘 / 核廃棄物 |
研究実績の概要 |
2018年度ではまず、本共同研究のメンバー全員が執筆した『核開発時代の遺産』(昭和堂、2017年)の書評などを検討し、この先駆的論文集が残した課題について改めて整理を行った。特に2018年7月1日、同志社大学における日本ドイツ学会では、フォーラム「核開発時代とその遺産」で、研究分担者の山本と中尾が報告、他の本共同研究メンバーも含め、活発な意見交換を行った。 今般のプロジェクトでは、合計12名による共同研究としては予算的な制約が著しいことから、一同が顔を合わせる研究会は年度末の1回にとどめ、その分、本共同研究メンバーは、それぞれの研究対象国(ないし機関)を訪問し、現地の文書館その他で史料・関連情報の渉猟に力を注いだ。 また、一部のメンバーは、2017年10月28日に同志社大学で実施した上記論文集出版記念シンポジウムにおいて書評を担当したKim Sung Chullソウル大学教授が主宰する紀要"Asian Journal of Peacebuilding"誌での英語論文掲載をめざして、執筆、意見交換を進めた。同誌には、水準の高い査読があり、現在、執筆者と査読者・編集部とやりとりがなお進行中である。 そして、2019年3月23~24日には、広島市立大学サテライトキャンパスにおいて、他の類似研究プロジェクトのメンバーも交えての研究会を実施、それぞれの研究進捗状況を相互に共有した。そしてこの場において、2020年5月に行われる予定の日本西洋史学会(於:大阪大学)で、本科研研究グループが小シンポジウムを主催することが合意され、それに向けての準備作業を進めることが確認された。 このように今年度においては、前作『核開発時代の遺産』で培われた問題意識や研究方法、資料状況など、研究代表者・分担者相互の多岐にわたる情報ネットワークがいっそう深化され、次期論文集に向けての態勢づくりが整えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述のように、まず、ソウル大学の紀要"Asian Journal of Peacebuilding"誌への英語論文寄稿については、執筆者と査読者・編集部とやりとりがほぼ最終段階を迎えており、2019年度内に掲載号が刊行されることは確実である。 また、メンバー全員の研究蓄積を踏まえ、2020年5月に大阪大学で予定されている西洋史学会において、小シンポジウムを主催することが合意されている。そこで、2019年9月頃のエントリーを前に、既に役割分担(報告者:市川・高橋・友次・佐藤、コメンテイター:山本・木戸、司会者:北村・竹本)を決め、意見調整を始めている。 また、2018年7月1日、日本ドイツ学会でのフォーラム「核開発時代とその遺産」で、研究分担者の山本と中尾が前作『核開発時代の遺産』にまつわる報告を行ったことも踏まえ、本共同研究プロジェクトの最終的な成果として、論文集『放射性物質の政治文化史』(仮題)を刊行することについても改めて合意が行われ、メンバー全員の間で暫定的な論文題目と概要に関する情報が共有され、相互批評が進められている。そして、2020年8月末原稿提出、2021年3月までの出版という具体的なタイムスケジュールも確認されている。 このように、本研究プロジェクトメンバーの共通課題として、学会での共同報告、出版物の刊行が、おおよそ具体的な日程を伴って確定していることから、本研究課題はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
上述のとおり、本研究プロジェクトにおいては、①一部メンバーが、ソウル大学の紀要"Asian Journal of Peacebuilding"誌に英語論文を寄稿すること、②2020年5月に開かれる日本西洋史学会で、本研究グループとして小シンポジウムを主催するためにエントリーすること、③メンバー全員の手で新たな論文集を刊行すること、という今後の基本方針が確定している。 "Asian Journal of Peacebuilding"誌については、執筆者と査読者・編集部とやりとりがほぼ最終段階を迎えており、2019年度内の掲載号刊行を期す。 日本西洋史学会での小シンポジウム開催については、各報告者の報告内容のブラッシュアップと、コメンテイター・司会者との意見調整を進め、小シンポジウムの構想を総合化・具体化していくこととする。 前作『核開発時代の遺産』を引き継ぐ論文集の刊行については、各メンバーがそれぞれの研究課題に関する調査研究をさらに進める一方、とりわけ研究代表者は、予定されている出版社の編集担当者との連絡をいっそう緊密にとることにしている。 以上の計画に即して、本研究の2019年度における進捗状況を相互に把握・批評するために、2020年3月21日(土)~22日(日)に神戸において、本研究メンバーが全員出席しての研究報告会を開催する。この研究報告会の幹事役は、研究分担者・山本が担当する。
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