研究課題
2022年度も研究計画に掲げたように、中華人民共和国に渡り、農村訪問調査および史料収集実行を模索したが、昨年同様、中国ではコロナウィルス蔓延による都市封鎖などが実施されていたことにより中国訪問・農村調査の実施は断念せざるを得なかった。オンライン方式で、年5回の研究打ち合わせ、研究報告を実施するとともに、以下に述べるような実績を積み上げた。第1に、これまでの調査により収集した未整理データを慎重に読み込み、昨年刊行した『中国の農民は何を語ったか』に引き続いて、弁納才一・田中比呂志・古泉達矢編『華東・華中農村訪問調査報告書』(汲古書院)、田中比呂志・弁納才一、祁建民『中国山西省高河店訪問調査の記録』(汲古書院)として刊行し、世に問うた。現在、公益財団法人東洋文庫研究部の企画として、戦後に日本の研究者による中国調査のデータを収集して、後世の中国研究に資するべきデータの蓄積・整理が進められようとしているが、そのような動きにも資するものとなった。 第2には、国際ワークショップ「中国近現代史研究と史資料」を東洋文庫(筆者は研究員を務める)、中国農村研究会(筆者も所属)実施した。実施は2022年12月10日、対面とオンラインの所謂ハイブリッド形式で実施した。科研メンバーが企画、設営、司会、コメンテーター、そして報告を担当した。報告者は全部で5名(オークランド大学博士院生・唐三驕、中国政法大学・鄭清坡、華中師範大学・張晶晶、山西大学・孫登洲、筑波大学・山本真)で、いずれも本科研に深く関わる報告内容であった。 そして、第3に、研究費を利用して日本に所蔵されていない近代中国農村社会に関する調査資料を入手して分析し、より朝期の時間軸の中における中国農村社会の個性の解明に向けて作業を実施した(現在も継続中)。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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成城大学経済研究
巻: 239 ページ: 181-204
東亜漢学研究
巻: 12 ページ: 192-206
華南研究
巻: 8 ページ: 19-36
史潮
巻: 新92号 ページ: 37-57頁