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2020 年度 実績報告書

前近代中央ユーラシアの南北交通システムの総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18H00723
研究機関広島大学

研究代表者

舩田 善之  広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (50404041)

研究分担者 鈴木 宏節  神戸女子大学, 文学部, 准教授 (10609374)
小沼 孝博  東北学院大学, 文学部, 教授 (30509378)
小倉 智史  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (40768438)
中村 篤志  山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (60372330)
山本 明志  大阪国際大学, 基幹教育機構, 准教授 (70710937)
岩尾 一史  龍谷大学, 文学部, 准教授 (90566655)
岩田 啓介  筑波大学, 人文社会系, 助教 (60779536)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード中央ユーラシア / 交通史 / 遊牧民 / 匈奴 / モンゴル / パキスタン / ギルギット / チベット
研究実績の概要

本研究の目的は,前近代の中央ユーラシアにおける南北の交通の実態,及び当該地域の諸集団による交通システムの構築・維持への主体的な関与のあり方を解明することである。第三年度である本年度は,初年度・第二年度の現地調査によって得られた情報・知見に基づく分析を進めるとともに,史資料の収集・整理と解読を行い,三回の研究会と二回の共催研究会の開催,札幌市・北見市・網走市・苫小牧等における現地調査を実施した。
研究会では,COVID-19の感染流行を受け,随時研究計画の調整・変更を考慮・検討しつつ,研究の進捗状況の確認と現地調査及び各メンバーの研究成果の共有と議論を目的とする研究報告を行った。分担者の鈴木と小倉が,2018年度の現地調査の成果及びモンゴルの漢代磨崖文と匈奴について,調査予定地としていたギルギット・バルティスタン地方の歴史について,それぞれ報告した。共催研究会「ユーラシア遊牧民の地図史」では,分担者の小沼が天山山脈のムザルト峠に関する研究報告を行い,共催研究会 “Reading two Persian episodes on the Buddha composed in Ilkhanid Iran”では,分担者の小倉がブッダに関するペルシア語文献について,サンスクリット文献と対照しながら読解・分析を行った。
現地調査については,COVID-19の影響のため,海外における調査は次年度に延期し,調査計画の一部を代替・補完する調査として,9月中旬に,北海道博物館・北方民族博物館・国立アイヌ民族博物館及び関連する遺跡において,オホーツク人・アイヌ人の考古・歴史・文化に関する調査を行った。なお,その後,経費の繰越・再繰越申請が認められたため,2022年8月中旬から下旬に,パキスタン・イスラム共和国のインダス川上流域における主要な南北交通史跡を調査した。
成果公表面では,学術雑誌における論文掲載,学会などにおける研究発表,図書分担執筆などの形で幅広く行うことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

経費の繰越・再繰越申請を認められた後の研究期間も含めると,史資料の収集・整理と解読,現地調査とそれに基づく史資料情報の収集,ならびに研究成果の公表をおおむね計画通りに行うことができたため。 COVID-19の影響を受けて,研究計画の変更・調整及び海外調査の延期を強いられたが,経費の繰越・再繰越申請が認められた。それにより,渡航メンバーは限定することとなったが,2022年度にパキスタン・イスラム共和国における調査を実施することができた。したがって,最終的には当初予定していた研究計画を完了することができた。研究成果の公表については,学術雑誌論文5件(うち査読付2件),研究発表6件(うち招待講演4件,国際会議発表1件),図書3件(分担執筆のべ4件,共編著1件)を数え,ほぼ計画通りに成果を公表することができた。

今後の研究の推進方策

COVID-19の感染状況を注視しつつ,繰越申請が認められた経費については,海外調査を計画するが,困難な場合は,代替・補完となる国内調査の実施を検討するほか,柔軟に研究計画を調整する。現地調査以外については,当初の研究計画書に基づき,史資料の収集・整理・分析を進め,オンライン・ハイブリッドも活用しつつ,研究会を開催し,研究情報の交換と討論を行う。また,論文投稿・学会発表を行い,研究成果を順次公表する。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (5件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 清代モンゴルの駅站衙門サイルオス:現地調査からみた遺構の分布状況2021

    • 著者名/発表者名
      中村篤志
    • 雑誌名

      アジア流域文化研究

      巻: 12 ページ: 99-105

  • [雑誌論文] 歸義軍政權初期におけるチベット語公印の使用とその背景――Pelliot tibe_tain 1171の檢討を中心に2021

    • 著者名/発表者名
      岩尾一史・坂尻彰宏
    • 雑誌名

      敦煌写本研究年報

      巻: 15 ページ: 97-109

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「サキャパ時代」から「パクモドゥパ時代」へ2021

    • 著者名/発表者名
      山本明志
    • 雑誌名

      東洋史研究

      巻: Apr-79 ページ: 1-34

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 堀直先生を偲んで2020

    • 著者名/発表者名
      小沼孝博
    • 雑誌名

      内陸アジア言語の研究

      巻: 35 ページ: 113-122

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 2019年度モンゴル国突厥関連遺跡調査箚記2020

    • 著者名/発表者名
      鈴木宏節
    • 雑誌名

      神女大史学

      巻: 37 ページ: 49-68

  • [学会発表] 天山を越えて:ムザルト峠とその役割2021

    • 著者名/発表者名
      小沼孝博
    • 学会等名
      研究会「ユーラシア遊牧民の地図史」
    • 招待講演
  • [学会発表] 教科書の記述をつなぐチベット通史:チベット史研究のいま2021

    • 著者名/発表者名
      山本明志
    • 学会等名
      2020年度大阪府高等学校社会[地歴・公民]科研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 色目人再論:「元代四階級制」説のその後2020

    • 著者名/発表者名
      舩田善之
    • 学会等名
      第75回東洋史学研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 清代チベット・青海間交通路再考2020

    • 著者名/発表者名
      岩田啓介
    • 学会等名
      第56回社会文化史学会大会
  • [学会発表] 駅站の守人:モンゴル国ハラチン集団の歴史と記憶2020

    • 著者名/発表者名
      中村篤志
    • 学会等名
      『北東アジアにおける近代的空間の形成とその影響』総括シンポジウム
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] チベット語典籍史料における時代区分意識:サキャ派時代とパクモドゥ派時代2020

    • 著者名/発表者名
      山本明志
    • 学会等名
      「チベット文明の継承と史的展開の諸相」2020年度第3回研究会
  • [図書] ユーラシア遊牧民の歴史的道程(中村篤志「Manjiin Ueiin Kharchin ortoo ba Sair us(清代のハラチン駅站とサイル=オス)」pp.319-333)2021

    • 著者名/発表者名
      中村篤志ほか
    • 総ページ数
      434
    • 出版者
      東北大学東北アジア研究センター
  • [図書] チベットの歴史と社会 上下(岩尾一史「古代期のチベット」pp. 7-25;山本明志「モンゴル政権・明朝中国との接触とチベット社会の変容」pp. 54-73)2021

    • 著者名/発表者名
      岩尾一史・山本明志ほか
    • 総ページ数
      790
    • 出版者
      臨川書店
    • ISBN
      9784653045618
  • [図書] 移動と共生の東北アジア : 中蒙露朝辺境にて(中村篤志「遊牧と移住のあいだ: 20世紀前半期フルンボイル社会の動態から」pp.111-142)2020

    • 著者名/発表者名
      中村篤志ほか
    • 総ページ数
      244
    • 出版者
      東北大学東北アジア研究センター

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公開日: 2023-12-25  

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