研究課題/領域番号 |
18H00734
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
今野 晃市 岩手大学, 理工学部, 教授 (90333476)
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研究分担者 |
及川 穣 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (10409435) [辞退]
松山 克胤 岩手大学, 理工学部, 准教授 (80404804)
野口 淳 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 客員研究員 (70308063)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 情報考古学 / 接合資料 / 3次元計測 |
研究実績の概要 |
令和元年度は,下記のサブテーマに関して研究を実施した. (1) 形状特徴抽出+剥離面検出: H30 年度では,石器剥離面の境界線を推定するアルゴリズムを開発した.R1 年度は,点群の表面変位に基づいて稜線を抽出する方法を開発した.この方法で抽出した稜線ともとになる点群を重ね合わせ,稜線で囲まれる閉領域にある点群をセグメンテーションする手法を開発している.次年度は,基本的なアルゴリズムはできあがったので,接合可能な模造石器44個のうち剥離面抽出されていない25個について,本手法を適用し,アルゴリズムを改良していく. (2) 複数接合資料混在マッチング: R1 年度には,H30 に開発した自動生成アルゴリズムを中核にした,インタラクティブなマッチングシステムを開発した.現状では,実行速度が想定よりも遅いが,自動生成アルゴリズムの誤マッチングを修正する機能が有用であることがわかった.今後は,誤マッチング修正方法にフォーカスして,有用性を高めつつ速度を向上させる.また,速度向上のため,点群を軽量化するアルゴリズムも並行して開発した. (3) 剥離面ネガ・ポジ判定: R1 には,開発した判定手法を,(2) のシステムに組み込みいくつかの不具合を修正した.その後,ネガ・ポジ判定の効果を確認したが,大きな速度向上の改善には貢献しないようなので,別の方法で速度向上を目指す. (4) 隣接情報の編集と構造化: H30 に引き続き,接合結果を解析して,石器ごとの接合面の関係と接合面に隣接する隣接剥離面間の関係をグラフ化するアルゴリズムを開発した.その後,実装を行い,いくつかの接合資料に適用して,アルゴリズムを検証した.接合箇所に着目したグラフは完成したので,より汎用なグラフ構造の構築のため,アルゴリズムを改良する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多少遅れ気味なサブテーマもあるが,おおむね予定通り進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度に向けて,残った課題を洗い出す.また,成果が出ているテーマについては,学術雑誌などへ投稿し,積極的に外部へ公表する.
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