研究課題/領域番号 |
18H00740
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
新里 貴之 鹿児島大学, 総合科学域共同学系, 助教 (40325759)
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研究分担者 |
黒住 耐二 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (80250140)
樋泉 岳二 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究推進員 (20237035)
米田 穣 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30280712)
庄田 慎矢 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (50566940)
高橋 遼平 帝京科学大学, その他部局等, 学芸員 (40728052)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 小規模島嶼群 / トカラ列島 / 諏訪之瀬島 / 中之島 / 宮水流遺跡 / 縄文土器 / フィリピン大学 / 喜界島 |
研究実績の概要 |
本年度は,諏訪之瀬島において遺跡分布調査を実施し,再度渓谷部で先史時代遺物を採集することができた。また,個人所蔵されている諏訪之瀬島発見の遺物の実査を行なった(4月)。沖縄出土のヒスイ類似製品の石材分析を新潟県フォッサマグナミュージアムにて実施し,製品の実査を行なった(11月)。 フィリピン国立博物館,フィリピン大学を訪問し,所蔵遺物の実査を行なった。フィリピン大学では,ヘンリー=ベイヤーのコレクションの一部を調査することができ,トカラ列島平島において確認される清朝磁器(中国漂着船由来)と同製品を確認することができた。これにより本来東南アジア向け輸出される陶磁器である証拠の一つを確認したことになる(11月)。奄美考古学会喜界島大会が開催され,学会参加のほか,平安時代における喜界島の状況とトカラ列島中之島の状況を遺物から比較検討した(12月)。また,第66回トカラ塾ライブトークにおいて「トカラ列島中之島・宮水流遺跡の発掘調査から:トカラ列島の弥生時代・平安時代を中心に」を講演した(12月)。 中之島宮水流遺跡では,発掘調査成果との比較検討を行うため,第3次発掘調査前に地中レーダー探査を実施した(1月)。第3次発掘調査(2月)では,平安時代(土師器・須恵器・越州窯系青磁・軽石製品),弥生時代(南九州入来Ⅰ・Ⅱ式,山ノ口式土器,奄美系土器,磨製石鏃)などを得ることができたが,今回の最大の成果は,最下層で縄文時代(神野B式,面縄前庭式系,石ノミ,チャート製剥片石器,黒曜石剥片)などを確認することができたことである。中之島の土器文化は縄文時代中期までさかのぼり,奄美系統の土器を用いていたことが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
無人島である臥蛇島および悪石島の踏査を予定していたが,前者は天候不良のため渡島できず,後者は日程の都合が合わず調査を断念した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の調査で臥蛇島,悪石島の踏査を予定する。
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