研究課題/領域番号 |
18H00744
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
小林 謙一 中央大学, 文学部, 教授 (80303296)
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研究分担者 |
下岡 順直 立正大学, 地球環境科学部, 特任准教授 (10418783)
米田 穣 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30280712)
箱崎 真隆 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (30634414)
坂本 稔 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60270401)
佐野 雅規 早稲田大学, 人間科学学術院, 講師(任期付) (60584901)
木村 勝彦 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (70292448)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 炭素14年代測定 / 先史文化の実年代化 / 樹木年輪酸素同位体比 / 年代決定法 |
研究実績の概要 |
2020年度においては、コロナウイルス拡散防止に伴う緊急事態宣言によって、試料収集や打ち合わせなどにおいて大きな制約を受けたが、研究打ち合わせについては随時オンラインで進めることができた。特に2021/2/28には分担者全員と全体打合せをおこない、各自の研究成果と今後の計画について共通理解を得ることができた。試料収集については、海外の試料収集はすべて取りやめたが、国内資料の収集については、関東(東京、千葉、神奈川)、東北(宮城県)、東海(静岡)など、比較的近い場所から多くの試料について採取することができた。ただし、遺跡の調査現場から遺跡形成過程に即した形での試料収集は限られ、既調査試料からの収集が主となったが、静岡県大鹿窪遺跡では層位別の炭化物収集、ルミネセンス(下岡分担者)および古地磁気測定用の土壌試料を、東京都染地遺跡の古代住居柱材・宮城県北小松遺跡の低湿地遺跡においてAMS炭素14年代によるウイグルマッチ(小林および坂本分担者)と年輪・酸素同位体比測定(木村・箱﨑分担者)、取掛西遺跡など貝塚遺跡貝層中出土の炭化材・貝殻・人骨動物骨・植物遺体など(米田分担者ほか)の試料を調査現地で採取した。 これまでに集めた試料について、AMS年代測定、IRMS同位体比測定、木材試料について年輪年代、酸素同位体比測定を進めた。測定においては共同利用機関である国立歴史民俗博物館年代測定実験室、東京大学総合研究博物館において、数度にわたり分析作業をおこなった。測定自体は継続的におなっているが、2020年度においても200点以上の測定結果を得ており、日本列島の先史時代の高精度年代体系化に寄与し得るデータの蓄積を果たしている。 研究成果の提示としても、年代測定の速報を含め、多くの成果の刊行をおこなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウイルス拡散防止に伴う緊急事態宣言の制約に伴い、国内外の試料収集や打ち合わせが予定通りには進まなかった。打ち合わせについてはオンラインでの代替によってかなりカヴァーできたが、試料収集、特に韓国など東アジア先史文化の試料収集は全面的に不可能であった。国内の試料収集も、出張の自粛などもあり、特に発掘調査は実施ができず、年代測定用試料の収集が十分にはできなかった。出張受け入れ可能な地域・機関を優先して試料収集し、予定していた測定数は確保した。測定自体は、既収集分の過去の測定保留試料についても再検討し、国立歴史民俗博物館・東京大学総合研究博物館など分担者の属する協力機関の協力を得て、予定数に近い測定をおこなうことができた。
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今後の研究の推進方策 |
海外資料について出張可能となり次第、東アジア中心に試料収集を再開したい。国内の資料についても、九州・四国・沖縄・北海道など、遠隔地については保留したので、コロナウイルスの状況が収まり次第、試料収集を計画通りに進めたい。また、解析と分析を進め、高精度年代体系化を果たすとともに、生態史・環境史との対応を図り、文化変化システムの過程復元を見通した成果報告会を最終年度の2022年度に開催したいので、その準備も進めたい。
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備考 |
科研費の業績一覧、成果物PDF、発掘調査報告書、年代測定結果一覧を掲載
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