2021年度の研究実績概要は、引き続き新型コロナウィルスの感染拡大とロシアのウクライナ侵攻にともなう影響を受け、これらに対応して2022年度に繰越して国内調査、フォーラムなどを充分に考慮し実施した。 国内調査は、新型コロナウィルスの状況をみながら北海道内を中心に、本州での調査も実施した。北海道内調査では、旭川市博物館所蔵の「河野広道考古コレクション」千島・北方四島関係資料582点、市立函館博物館所蔵の「千島・北方四島考古コレクション」463点、「深谷義裕考古コレクション」54点、東京国立博物館所蔵の「千島・北方四島考古コレクション」98点の写真撮影、資料のデータ化を進めた。また、これまで調査した羅臼町郷土資料館蔵「福井友三郎考古コレクション」260点、古釜布郷土博物館蔵「考古コレクション」425点についても資料データ化、写真を整備した。東京、静岡などで元島民の方々からの聞き取り調査も実施できた。 研究成果の公開は、富山県黒部市で元北方四島の島民の方々と研究協力者4名で2023年1月13日に座談会「後世につなぐ歴史・文化を語る」(参加者20名)、翌日1月14日にフォーラム「未来につなぐ北方四島の歴史・文化」(参加者60名)を富山県北方領土資料室、黒部市と共催で開催した。3月4日は、北海道博物館公開講座「未来につなぐ北方四島の歴史・文化」(参加者70名)を羅臼町教育委員会と共催で開催した。これらの研究成果の公開は、各新聞社、マスコミなどで取上げられ報道されている。 残念なことに、新型コロナウィルス、ロシアのウクライナ侵攻の影響で、外務省と内閣府の連携先の判断もあり、北方四島フィールド調査、海外調査(ロシア)などは中止せざるをえなかった。
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