研究課題/領域番号 |
18H00754
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
本郷 一美 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 准教授 (20303919)
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研究分担者 |
新井 才二 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 日本学術振興会特別研究員(PD) (40815099)
三宅 裕 筑波大学, 人文社会系, 教授 (60261749)
板橋 悠 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (80782672)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 先土器新石器時代 / 土器新石器時代 / 西アジア / ティグリス川流域 / 家畜化 / 牧畜 / 新石器化 |
研究実績の概要 |
家畜化過程が進行した核地域であるティグリス川、ユーフラテス川上流域の新石器時代遺跡から出土した動物骨資料を もとに、1)定住集落における狩猟採集民による野生祖先種の利用、2)家畜化の過程における動物利用の変化、3)家畜化センターから周辺への家畜の拡散と受容、4)農耕牧畜社会での野生動物資源利用 について明らかにすることを目的として資料収集を行った。 8月に2)の段階の先土器新石器時代B期の資料を出土するチャヨニュ遺跡で出土動物骨のデータ収集を行った。3)の段階の先土器新石器時代終末期~土器新石器時代(紀元前7000年頃~)のスマキ遺跡の出土動物骨は総合研究大学院大学の本郷研究室に保管されており、これらの同定と計測を行った。 国際考古動物学会の大会が中東工科大学(トルコ、アンカラ、9月2-7日)にて、研究代表者と分担者が成果発表を行った。 研究代表者はこの学会でセッション、”Conservative, consistent and comparative: Papers in Zooarchaeology honoring Richard H. Meadow”をオーガナイズした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集、解析、成果発表とも、ほぼ計画通りに進展した。H30年度はハッサンケイフ・ホユック遺跡で出土資料の分析データ収集を予定通りに行うことができなかったため、予算の繰越申請をした。この繰越予算により令和1年度にハッサンケイフ・ホユック遺跡の現地調査と保管されている出土資料のデータ収集を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
家畜化以前の時期の動物利用について明らかにするため、先土器新石器時代A期(PPNA期)のハッサンケイフ・ホユック出土資料の同定分析と計測をすすめる。この遺跡の居住時期は紀元前9500年前後の約500年ほどだが、居住期間の間に野生ヒツジ、イノシシ、アカシカ等の野生動物の利用に変化があったか、狩猟圧の高まりや野生動物の管理などの兆候が見られるかを検討する。また、その後ティグリス川上流東部地域の集落が放棄された理由、その後、西方のユーフラテス上流地域周辺に先土器新石器時代B期に形成された集落で、家畜化過程が進行した理由ついて、動物利用の面から探る。
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