研究課題
現在,福島県前田遺跡の縄文時代中期の漆関連資料の年代測定を進めており,これを継続的に行った。また,長崎県泉福寺洞窟の後期旧石器時代から縄文時代草創期の炭化材試料を新たに採取し,樹種同定による古環境分析と新規の年代測定を進めた。一方,古環境の研究については,後期旧石器時代前半期の遺跡である福島県笹山原遺跡に隣接する赤井低地において採取したボーリング資料の古環境分析を進めた。花粉分析はすでに完了しており,これらに詳細な年代を与え,笹山原遺跡の周辺の古環境を復元した。また,千葉県千葉市で1970年代に実施されたボーリング調査で後期旧石器時代相当の堆積物が見つかっており,これを新たに採取するためにボーリング調査を行った。その結果,深度24m掘削し,最終氷期の泥炭質の堆積物を得ることができた。これは,房総半島における最終氷期の古環境を明らかにするうえで極めて重要な試料であり,現在その分析を進めている。国立歴史民俗博物館のデータベースとして公開している「遺跡発掘調査報告書放射性炭素年代測定データベース」は,2022年3月までに北海道・東北・関東・北陸・中部・四国・九州・沖縄までの全都道府県のデータ入力を終了し,公開件数は計44425件となり,ほぼ完全なかたちで「遺跡発掘調査報告書放射性炭素年代測定データベース」を完全な形で公開した。このデータベースについては,国際的なデータベースとして公開することを検討しており,そのための研究打ち合わせなども進めた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)
文化財科学
巻: 84 ページ: 17-35
第四紀研究
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10.4116/jaqua.60.2020
企画展縄文早期の居家以人骨と岩陰遺跡―居家以プロジェクトの研究成果―
巻: なし ページ: 21-22
植生史研究
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https://www.rekihaku.ac.jp/up-cgi/login.pl?p=param/esrd/db_param