研究課題/領域番号 |
18H00762
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
冨士田 裕子 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (50202289)
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研究分担者 |
百原 新 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 教授 (00250150)
井上 京 北海道大学, 農学研究院, 教授 (30203235)
紀藤 典夫 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30214836)
近藤 玲介 東京大学, 大気海洋研究所, 特任研究員 (30409437)
吉田 明弘 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (80645458)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 地形発達史 / 花粉分析 / 大型植物化石 / 堆積学 / ルミネッセンス年代測定 / 湿原植生 / 泥炭 / 完新世 |
研究実績の概要 |
本研究は、根釧台地における段丘上に分布する特異な湿原を対象として、形成史と古環境変遷の関係を明らかにすることを目的とする。 現存植生・環境把握調査:歯舞湿原では、植生調査を継続し群落区分を行った。また、地下水位測定、降雨量の観測、測量と三次元モデルの作成を行い、湿原の形状と泥炭層の空間的分布状況を明らかにした。現生の植物群落の分布は、堆積物と微地形に起因する水文環境等に規定されると推定された。また、多地点における湿原堆積物調査結果に基づき、歯舞湿原は我が国では唯一のブランケット型泥炭地と結論づけた。 湿原形成史解明:根釧台地において採取したボーリングコア試料を用いて大型植物化石分析と花粉分析を引き続き実施した。茨散海岸の泥炭の大型植物化石分析から約4.5万年前にはアカエゾマツ湿地林が調査地に分布していたことや、約6.5千年前以降の地下水位の変化等を伴った湿原植生の変化が明らかになった。歯舞湿原では、晩氷期以降のグイマツとアカエゾマツからなる湿地林の時空間的分布が明らかとなった。浜中・茶内湿原群での花粉分析の結果、湿原は段丘面上の凹地に形成された水域に始まり、泥炭堆積開始以降は中間湿原を維持し、地表に向かってミズゴケが増加することが明らかとなった。 地形学的調査及び編年:根釧台地において地形・地質調査を実施した。コア試料の解析にあたっては、層序と堆積環境に関する分析を行った。編年にあたっては14C年代測定およびpIRIR年代測定を行った。これらの結果、本研究で対象とした海成段丘の離水年代を推定した。さらに、根室半島周辺ではMIS 5~4にも泥炭が堆積していたこと、MIS 2には周氷河作用が寄与したこと、MIS 2末期以降は段丘上の広域において湿地環境となっていたこと、そして完新世以降は段丘上の湿原表層の泥炭が気候変動の影響を受けながら堆積したことが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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