研究課題
2019年度は、本研究の2年目にあたり、下記の通り活断層判読と活断層図の作成および判読結果の確認のための現地踏査に本格的に取り組んだ。1)アナグリフ画像を画像処理ソフトMap Tiler Pro (Klokan Technologies)を使ってkml ファイルに変換しGoogle Earthに重ねて判読するより直感的で効率的な活断層判読およびマッピングの手法のための画像を作成し、研究分担者および研究協力者に配布した。これをもとに、本格的な活断層判読作業を開始した。中央アジア諸国、ヒマラヤ周辺地域、インドネシア、アフガニスタン、パキスタンなどにおいて活断層判読を進め、予察的な活断層図を作成した。2)2018年度に作業したモンゴルの活断層のうち、新たに発見したUlaanbaatar断層の現地調査と断層掘削調査を行い、その存在を確認した。また、Bulnay断層についても、現地踏査によって、本研究で用いた手法の有効性を確認した。3)活断層の判読作業のサンプル地域としたヒマラヤ南麓地域のうち、ブータン南東部地域やネパール中部においても、現地踏査とトレンチ掘削調査を実施し、活断層の詳細な位置・形状を確認した。4)北淡活断層シンポジウム2020に合わせて、アジア地域をはじめ世界各地で活断層の調査・研究を展開する著名な外国人研究者を招聘し、意見交換を行った。このうち、中央アジア地域で精力的に調査・研究を進めているOxford大学のRichard Walker教授については、活断層分布についてクロスチェックを行うとともに、今後、本研究を協力して推進することで合意した。5)本研究で用いた広域活断層の判読手法や予察的判読で新たに得られた成果については、国際シンポジウムや学会において研究発表を行った。
2: おおむね順調に進展している
ALOS 30 DEMアナグリフ画像を用いた効率的な活断判読・マッピング手法によって、研究代表者および分担者によるマッピングがほぼ順調に進んでいるため。
活断層図の作成を着実に進めるために、判読作業が遅れ気味の研究協力者とのさらに緊密な連携をはかる。また、アジア地域において活断層調査を行っている海外の研究者との連携も深めて行く。
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