研究課題/領域番号 |
18H00766
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中田 高 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 名誉教授 (60089779)
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研究分担者 |
後藤 秀昭 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (40323183)
熊原 康博 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (60379857)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 活断層 / アジア / ALOS 30 / アナグリフ / デジタル活断層図 |
研究実績の概要 |
2021年度は本研究の4年目にあたり、活断層判読と活断層試作図の作成を精力的に行い、アジア全域の判読をほぼ完了した。 1)前年度に引き続き、ALOS 30 DENMやCORONA衛星画像のアナグリフを画像処理ソフトMap Tiler Proを用いてkmlファイルに変換しGoogle Earthに重ねて判読する直感的で効率的な活断層判読作業を継続し、アジア全域の予察的な活断層図を作成した。また、デジタル活断層図の特性を活かすために、活断層判読時に既存の活断層図を参考に断層名・走向・断層変位様式・断層変位基準など活断層の属性データをGoogle Earth上で付与する作業も継続的に行った。 2)特に、中国全土については、ALOS 30 DEM画像の半年以上をかけて判読作業を行い、既存研究に加えて新たな活断層の発見や断層帯のセグメント区分に関連する断層線の位置・形状を明らかにした。 3)さらに、CORONA衛星画像を用いた詳細な判読作業をいくつかの地域で実施した。ヒマラヤおよびその周辺地域では、山地内に新たな右横ずれ断層を発見した。また、ヒマラヤ南麓からベンガル平野に延びる活断層については、既知の断層からさらに数10kmほど南東に延びることを確認した。これまで活断層が未発見であったスエズ湾沿岸地域において、活断層の詳細なマッピングを行った。また、北京周辺では、既存のマッピング結果との比較を行い、その活動性を評価した。 4)現地調査に備えて、活断層の効率的なフィールド・マッピングの手法の開発を行った。Livox社製のLiDARを用いた簡易モバイル・マッピング装置を作成し、国内の活断層・地震断層を対象に試験的な計測を行った。その結果、高い精度の詳細な3Dデジタル・マッピングが可能であることが明らかとなり、海外の活断層のフィールド・マッピングで使用する目処がたった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍にあって、効率的な活断層判読・マッピング手法によって、研究代表者および分担者によるマッピングはほぼ順調に進みアジア全域の予察的活断層図をほぼ完成した。
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今後の研究の推進方策 |
アジア全域の活断層マッピング結果を再チェックするとともに、研究協力者にもクロスチェックを依頼し、活断層線の位置形状と属性データを纏めた「アジアのデジタル活断層図」の完成を目指す。また、活断層の活断層線の位置形状と属性データをもとに地震発予測精度の向上について検討する。
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