研究課題/領域番号 |
18H00770
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
熊谷 圭知 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (80153344)
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研究分担者 |
大城 直樹 明治大学, 文学部, 専任教授 (00274407)
倉光 ミナ子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (10361817)
池口 明子 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (20387905)
小田 隆史 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 准教授 (60628551)
吉田 容子 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (70265198)
関村 オリエ 群馬県立女子大学, 文学部, 准教授 (70572478)
久島 桃代 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 基幹研究院研究員 (80792506)
中島 弘二 金沢大学, 人間科学系, 教授 (90217703)
杉江 あい 名古屋大学, 高等研究院(環境学), 特任助教 (10786023)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 被災地 / 場所 / 風景 / 風土 / 感情 / 身体 / ジェンダー / 陸前高田 |
研究実績の概要 |
今年度は、以下の活動を行なった。(1)陸前高田を軸とする被災地の現地調査。5月上旬:杉江、6月中旬:熊谷、関村、久島;8月上旬:熊谷、関村;10月:吉田、倉光、関村が、それぞれ共同調査を実施。現地の研究協力者と連携しながら復興状況と場所喪失をめぐる課題について、行政関係者、現地NPO、防災集団移転の住宅地・災害公営住宅の住民などから聞き取り・資料収集を行なう。その他の分担者も個人で数回の調査を実施。 (2)研究成果の報告と共有。1)6月15日:陸前高田市で開催された国際開発学会第20回記念大会にて熊谷が報告(「被災地の復興と場所の再構築――2011~18年、陸前高田でのフィールドワークからの試論」)。学会員に加えて、地元の研究協力者たちも陪席し、終了後多くの貴重なコメントを得た。2)2月28日~29日:お茶の水女子大学で開催した科研グループ研究会にて、熊谷、吉田、大城、中島、池口、倉光、久島が報告。研究協力者の佐藤一男氏がコメント。また津波被災後の陸前高田を描いた映像作品「波のした、土のうえ」を上映。製作者の小森はるか・瀬尾夏美両氏の講演を得た。 (3)公開シンポジウムの開催(2020年2月29日、お茶の水女子大学)。陸前高田から研究協力者4名――佐藤一男氏(元米崎小学校仮設住宅自治会長)、岡本翔馬氏(桜ライン311代表)、東平享裕氏(桜ライン311理事)、菅原教文氏(酔仙酒造)――を招聘して、公開シンポジウムを開催(「私たちが『被災地』から受け取ったもの――陸前高田とお茶大、グローバル文化学環の9年間」)。熊谷、佐藤一男が報告、岡本がコメント。科研メンバーのほか、これまでの実習に参加したお茶大生・卒業生・教員、陸前高田関係者など、40名以上の参加を得た。研究成果の一部を下記の論文として刊行した(熊谷圭知「陸前高田の原風景と風土の復興」『環境と公害』Vol.49 No.4:pp.31-36.)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本共同研究の大きな目的の一つは、単にアカデミックな研究成果を挙げるだけでなく、その過程で、現地の研究協力者との信頼関係を構築し、被災地の場所再構築のために協働することにある。その関係性は着実に深化しており、成果を生みつつある。 現地調査は、少数の共同調査および個人単位で実施し、着実な成果を挙げている。その成果は、2月の共同研究会、およびシンポジウムで確認済みである。 2月29日に開催したシンポジウムでは、本研究会の重要な趣旨である現地の研究協力者との協働を実現し、大きな成果を挙げた。
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今後の研究の推進方策 |
東日本大震災から10年目を迎える本年度は、陸前高田市で地元の研究協力者と協働のシンポジウムを開催する予定である(2021年2~3月)。 また2021年の4月に開催予定のアメリカ地理学会において、「東日本大震災後10年」のタイトルで共同発表を行うための準備を進行する。 そのほか人文地理学会、日本地理学会大会等での共同報告も計画している。 COVID-19の影響で、大きな集会がどの程度開催されうるか予測が困難な部分もあるが、成果報告の準備は着実に進め、研究成果の地元、学界、海外への発信に努めたいと考えている。
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