研究課題/領域番号 |
18H00774
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研究機関 | 茨城キリスト教大学 |
研究代表者 |
岩間 信之 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (90458240)
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研究分担者 |
浅川 達人 明治学院大学, 社会学部, 教授 (40270665)
田中 耕市 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (20372716)
佐々木 緑 広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (70401304)
駒木 伸比古 愛知大学, 地域政策学部, 教授 (60601044)
池田 真志 拓殖大学, 商学部, 准教授 (70555101)
今井 具子 同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (00393166)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | フードデザート問題 / 食料品充足率調査 / 食料品アクセス / 大都市中心部 / 県庁所在都市 / 農漁村 |
研究実績の概要 |
本研究の最終的な目的は,食料品充足率調査を大都市中心部や県庁所在都市,地方都市,農漁村などの異なる属性の地域で実施し,得られたデータをもとに新しい食料品アクセスマップを全国スケールで作成することにある。 本年度は,農漁村(鹿児島県南大隅町),県庁所在都市(栃木県宇都宮市),東京都心部(東京都港区)で現地調査を実施した。調査の結果,以下のことが明らかとなった。第一に東京都心部では,スーパーこそ少ないものの,コンビニやドラッグストアなどの食料品充足率が高く,買い物環境は従来の食料品アクセスマップが示すよりも良好であった。また,都心部は坂道や階段などの高低差がしばしば交通障壁となるが,それを加味しても買い物環境は総じて良好であることが明らかとなった。 第二に県庁所在都市の場合も,他業態店の品揃えが良く,総じて買い物環境が良好であることが明らかになった。ただし,それでも一部の地域では買い物先空白地帯の存在が確認された。 第三に,農漁村ではスーパーなどのチェーン店がほぼ存在せず,食料品店の多くは個人商店で占められていた。従来の食料品アクセスマップでは,個人商店もスーパーと同様に扱われていた。しかし今回の調査から,こうした個人商店の大半は食料品充足率が20%程度であり,買い物先として機能していないことが分かった。食料品充足率を加味したアクセスマップを検討した結果,農漁村の買い物環境は従来考えられていた以上に悪化しており,深刻な状況にあることが分かった。地域住民へのアンケート調査からも,食生活の悪化が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
地域の行政の方々からの協力を得られたこともあり,どの地域でも円滑に調査を進めることができた。食料品充足率調査のコツも掴めたため,当初の予定よりも調査は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,広島市中心部や愛知県豊橋市などで調査を進める予定である。主な調査対象は高齢者であるが,可能であれば外国人移民に対する調査も進めたいと考えている。外国人移民を調査対象に加える場合には,調査の実施に先立ち,茨城キリスト教大学研究倫理審査委員会の審査を受ける。次年度中に承認を受けられなかった場合には,当該調査は2020年度以降に繰り越す。
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