研究課題/領域番号 |
18H00774
|
研究機関 | 茨城キリスト教大学 |
研究代表者 |
岩間 信之 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (90458240)
|
研究分担者 |
今井 具子 同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (00393166)
田中 耕市 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (20372716)
浅川 達人 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (40270665)
駒木 伸比古 愛知大学, 地域政策学部, 教授 (60601044)
佐々木 緑 広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (70401304)
池田 真志 拓殖大学, 商学部, 教授 (70555101)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | フードデザート問題 / WEBアンケート調査 / コロナ禍 / 中年男性層 / 地理的要因 |
研究実績の概要 |
本年度の研究実績は以下のとおりである。 [調査]今年度は、まず茨城県の外国人集住地域である常総市と坂東市,および外国人散在地域に該当する日立市,東海村を対象に,各役場の担当部署や国際交流協会を訪問して,外国人住民の生活実態に関する聞き取り調査を行った。 次に,広島市でWEBアンケート調査を実施した。具体的には,大手のWEBアンケート業者に委託し,広島市在住の2,130名に対して調査を実施した。アンケート調査は全年齢層を対象とした。また,コロナ禍前後での買い物行動や食生活,健康状態の変化についても調査した。調査結果の概要は以下の通りである。1)食品摂取多様性得点低群(食生活に問題があり低栄養となるリスクが高い住民)の割合は73%であった。これは,全年齢層を対象とした調査では平均的な値であると予想される。2)コロナ禍により,住民の食生活は多少改善された。これは,自炊の増加や健康に対する意識の高まりに起因すると予想される。3)コロナ禍前後の住民の買物行動には,変化は見られなかった。ネットスーパーや移動販売車利用者も増えなかった。4)コロナ禍後,非正規社員の割合は若干増加した。5)詳細を検討した結果,中高年層(特に非正規社員層)および20代女性層において,食生活の顕著な悪化が確認された。6)地理的には,中心市街地の特定の地域において,住民の食生活の顕著な悪化が認められた。これに関してマルチレベル分析を行った結果,当該地域では,何らかの地理的要因(住民各人の貧困などの個人属性とは異なる地理的要因)が,住民の食生活悪化を誘引していることが示された。この要因は現段階では不明である。従来のフードデザート問題研究では,同問題を発生させる地理的要因として、食料品アクセスとソーシャルキャピタルが注目されてきた。しかしこの調査結果は、これらとは異なる地理的要因の存在を示唆している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
所属機関の方針により,他県での現地調査は実施できなかった。そのため,2022年1月に予定していた広島県広島市(西日本の県庁所在都市),および大阪府泉佐野市(西日本の地方都市)での調査を延期した。
|
今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の様子を見ながら,次年度以降,広島市での現地調査を実施したい。また,西日本の地方都市での調査地域として泉佐野市と愛知県豊橋市の2か所を予定していたが,他県での調査が困難であるため,今後は調査地域を1か所(豊橋市)に絞り込む。
|