研究課題/領域番号 |
18H00780
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩本 通弥 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60192506)
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研究分担者 |
周 星 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (00329591)
島村 恭則 関西学院大学, 社会学部, 教授 (10311135)
山口 輝臣 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (20314974)
山 泰幸 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (30388722)
及川 祥平 成城大学, 文芸学部, 専任講師 (30780308)
田村 和彦 福岡大学, 人文学部, 教授 (60412566)
門田 岳久 立教大学, 観光学部, 准教授 (90633529)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 日常 / 民俗学 / 世相史 / 暮らし向き研究 / 生活財生態学 / 社会-文化 / フォークライフ博物館 / 日常展示 |
研究実績の概要 |
本研究は日・中・韓の東アジアの民俗学が、ドイツ民俗学における市民運動的実践や、その鍵概念である〈日常〉を受容する際に問題化してきた、それぞれの包摂の相違を創発的に協働させることにより、東アジアに〈日常学としての民俗学〉の確たる基盤を構築することを目的とする。日中韓の民俗学は、同じ日常研究でも相互に異質な特徴を有しており、その協働は、社会編成を攪乱しつつ現働化する〈日常〉という新たな領域を創成的に開拓する。 ①全体をA班からD班の4つに区分したが、6月23日にそれら全体の集会を開催し、3年間の計画を練った。②A班(世相=生活変化研究班)では3回の研究会を開催し、柳田國男『明治大正史世相篇』第1章の注解付けを行った。 ③成城大学・小島孝夫教授を代表者とする科研費基盤研究B「生活変化/生活改善/生活世界の民俗学的研究―日中韓を軸とした東アジアの比較から」と共同し、生活変化=改善研究会を開催、ゲストスピーカーとして広島大学久井英輔准教授を招聘した。 ④研究分担者はそれぞれに、海外博物館の民俗学的「日常」展示のあり方を検討するため、Folklife Museumや野外博物館の調査を行った。英国ではセントファガンズ国立歴史博物館、セシル・シャープハウス、ケンプジッジ民俗博物館、ハックニー博物館、運河博物館、北欧ではスカンセン(瑞)、セウラサーリ野外博物館(芬)、中欧ではシュバーベン民俗学博物館(独)、ザルツブルク野外博物館(墺)などに訪問した。 ⑤10月14日に日本民俗学会・ドイツ民俗学会共催で開催された、国際シンポジウム「ドイツ民俗学の最前線」のドイツ人民俗学者8名とのディスカッションに、本研究会メンバーの多くがコメンテータとして参加した(『日本民俗学』299号掲載、8月刊行予定)。⑥研究成果は研究雑誌『日常と文化』6号(10月20日発行)に掲載したほか、同誌7号の編集作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「おおむね順調」と判断したのは、昨年度の交付申請書では計画していたA班の研究会が、5回から3回に、B班の研究会が3回から1回に減じたことによる。予算的にも困難であったが、2か月に1回、研究会をこなすのは、実質的に無理であって、来年度からは現実的に実行可能なプランに設計を変更することとした。それ以外はほぼ計画通り、実行できている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年4月より、関西学院大学に、世界民俗学研究センターが、学内特定プロジェクトとして(設置期間は2024年3月まで)開設されたことから(センター長には研究分担者の島村恭則が就任し、研究員に山泰幸、客員研究員に岩本通弥も参画する)、この機関との協働関係を促進し、「世界民俗学(World Vernacular Studies)」の構築に向けて、その一つとして「<日常学>としての民俗学」を推進・発信していく基盤ができた。
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