研究課題
本研究は、15世紀末以降、海外征服・植民地化事業に乗り出したスペイン帝国が世界規模で築いた文書ネットワークの成立・展開・変容(衰退)の過程と植民地社会における実態について、スペイン、ラテンアメリカ、アジア各地における実地調査を通して史料分析の研鑽を積み、文化人類学、歴史学、リテラシー研究、人文情報学などの実践的アプローチに精通した専門家たちの知見を結集することによって総合的に究明を図ることを目的として実施された。これまでの二年間の活動実績を踏まえたうえで、本年度は次の二点に重点を置いて研究活動を行った。① 初年度、二年度の海外調査で得られた個別研究の成果をまとめたうえで、2023年3月にアルゼンチンで海外研究報告会を実施し、本プロジェクトの研究内容全体について国際的に発信した。具体的には、2022年7月にオンラインによる共同研究会を実施し、これまでの個別研究の進捗状況についてメンバー各自が口頭発表を行った上で、最終的な研究成果の取り纏めの方向性や海外研究報告会の開催に向けた実施計画の策定などについてディスカッションを行った。その上で、2023年3月にアルゼンチンにおいて、本科研メンバー5名(網野、伏見、齋藤、吉江、ウィルデ)と海外招待研究者3名の参加により、「PANEL2023 El mundo hispanico moderno y su universo documental, siglos XVI-XIX」を実施し、本プロジェクトの研究成果を国際的に発信した。② ①の海外研究報告会の参加者8名の研究をベースとして、本プロジェクトの研究成果をスペイン語の論集にまとめ、アルゼンチンで刊行するため、具体的な出版計画の策定と出版社との交渉を継続的に行った。その結果、来年度前半を目処にブエノスアイレスの出版社から成果論集を刊行する予定で、現在、編集作業を進めている。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Hispanic American Histrical Review
巻: 102:4 ページ: 581-609