研究課題/領域番号 |
18H00787
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
木村 自 立教大学, 社会学部, 准教授 (10390717)
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研究分担者 |
奈良 雅史 国立民族学博物館, 超域フィールド科学研究部, 准教授 (10737000)
澤井 充生 東京都立大学, 人文科学研究科, 助教 (20404957)
高橋 健太郎 駒澤大学, 文学部, 教授 (30339618)
中屋 昌子 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (30838850)
砂井 紫里 千葉工業大学, 社会システム科学部, 准教授 (90367152)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 中国ムスリム / 移民 / 多文化共生圏 / 台湾 / ウイグル族 |
研究成果の概要 |
本研究をとおして、主に以下の3つの点が明らかになった。第1に、中華圏(中国、台湾、香港)に居住するムスリムや、中華圏外に居住する中国系ムスリム移民たちは、イスラームや宗教上の実践を共通の価値観として、国籍の異なるムスリムや非ムスリムと日常的生活実践をとおしたネットワークを築いており、日常の多文化主義と言いうるような多文化共生圏を構築していること。第2に、そうしたネットワークが歴史上においても、今日においても、国境を越えて拡大していること。第3に、そうしたネットワークの拡大を一つの要因として、マジョリティ社会内部の主流言説空間において、ムスリムたちが不当に排除される現象が生じていることである。
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自由記述の分野 |
文化・社会人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は以下の意義を有する。学術的意義としては、グローバル化が進展し、国内外との外交上・商業上の結びつきが拡大する中華圏において、これまで十分な蓄積がなかった中国ムスリムをめぐる民族誌的データを提示する点である。また、こうした民族誌的データに基づき、ムスリムを主体とした多文化共生の在地の理論を明らかにしたという点でも学術的意義を有する。社会的意義としては、人々が日常の生活実践をとおしていかに多文化の共生を可能にする論理を生み出しているのかを提示することで、従来の多文化主義や多文化共生概念に対して、下からの共生の仕組みを検討する可能性を提示できる点にある。
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